2021 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの体力・学力の発達と生育環境との関係性ー文武両道を育む子育てモデルの解明ー
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21J13138
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
大坪 健太 兵庫教育大学, 連合学校教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 子どもの体力 / 生活習慣 / 家庭環境 / 学力 / 家庭の社会経済的背景 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では①小学校6年生および中学校3年生における体力と学力の関係性の解明、②体力と学力の発達に対する生育環境要因(生活習慣、家庭環境、保護者の養育態度)の影響度の大きさや違いの解明、以上2点について取り組むことを主たる目的とする。 2021年度は、研究協力をいただいた学校からのデータ提供を受け、子どもの体力、学力、生活習慣および家庭環境に関わるデータを収集した。多くの教育機関に協力いただけたことで2261名(小学校6年生1213名および中学校3年生1048名)のデータを収集することができた。本研究で収集できた膨大なデータは、小学生および中学生の発達段階の異なるものであるため、まずは小学生の解析を中心に研究を進めている。具体的には、①小学校6年生および中学校3年生における体力と学力の関係性に関して、体力水準(新体力テストにおける5段階評価)の違いによって学力テストにおける正答数に有意な違いが見られることを明らかにした。特に、体力が最も低い新体力テストにおける評価がEである児童・生徒の学力レベルが顕著に低いことが示された。加えて、体格と学力との関係についても分析を実施し、肥満度による体型判定で肥満と判定される児童の学力レベルが標準体型の児童と比べて男女ともに有意に低いことを明らかにした。 研究成果は、国内の主要学会(日本体育・スポーツ・健康学会、日本教育医学会、日本体育測定評価学会など)で発表するとともに、様々な学術論文に投稿し、本研究で得られた科学的エビデンスを教育界に広めるよう努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データの収集等、予定通り進んだ部分もあれば、コロナウイルス蔓延による制限のもとデータの集計に予定以上に時間を要し、当初の予定通り研究を進めることができなかった。小学生を対象とした解析は概ね順調に進んでいる一方で、中学生の解析に関しては、収集したデータ量が膨大であるため、その結果をまとめ公表する段階には至っていないため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、収集できているデータをもとに、体力および学力と生活習慣・家庭環境の関係について丁寧に解析していく。小学生と中学生それぞれの発達段階の違いについても検討することを試みる。
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