2022 Fiscal Year Annual Research Report
Test of interaction types of new physics using semileptonic decay of B mesons
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21J15570
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
児島 一輝 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | セミレプトニック崩壊 / レプトン普遍性 / R(D*)測定 / B中間子 / Belle II実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
B中間子セミレプトニック崩壊の分岐比の比であるR(D*)の測定を行った.この測定では,高エネルギー加速器研究機構(KEK)で進行中のBelle II実験において2021年までに取得した189 fb-1のデータを使用し,Belle II実験で初めてのR(D*)測定を実現した.
本年度は,信号抽出手法の開発,データによる背景事象の推定や系統誤差の評価方法を確立した.主要な背景事象の推定においてはそれらの背景事象が支配的な領域の実データを用いて評価を行った.その結果,シミュレーションによる推定収量や分布形状について,データとの高い整合性を確認し,信頼性の高いR(D*) の測定を実現した.さらに,多変量解析FastBDTを使用したB中間子再構成手法(Full Event Interpretation)の導入やそれを活かした選別条件の最適化によって信号事象再構成効率が改善した.これにより,189 fb-1にスケールした比較で,Belle実験における先行研究より統計誤差について40%程度の削減を達成した.
測定の結果,R(D*)=0.262 +0.041-0.039(stat) +0.035-0.032(syst)(速報値)を得た.これは素粒子標準理論の予想であるR(D*)=0.254±0.005 と無矛盾な値であり,荷電レプトン普遍性の有意な破れは観測されなかった.これまでの測定結果とも誤差の範囲で無矛盾である.本測定で用いたデータ量はBelle実験の先行研究に比べて4分の1程度にも関わらず,統計誤差削減によりその先行研究と同程度の精度での測定を成し遂げている.本測定結果により,R(D(*))の世界平均値の標準理論予想値からの乖離は3.2σから3.3σにわずかに変化し,依然として実験値の超過を示すこととなった.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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