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2022 Fiscal Year Research-status Report

近代日本における清潔規範の創出と展開

Research Project

Project/Area Number 21K00259
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

川端 美季  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 准教授 (00624868)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords清潔 / 国民性 / 公衆衛生 / 国民道徳論 / 衛生 / 潔白性 / 入浴
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、近代日本における清潔規範の形成過程について、国民道徳論で説かれた国民性における「潔白性」の身体観と道徳観に焦点をあて検討するものである。近代日本の国民道徳論の前提として「国民性」が置かれ、「国民性」のなかで一貫して良い特徴とされ続けたのが「潔白性」である。本研究では、潔白性として例示されることの多い入浴や水を使用する習慣について着目し、その身体観と道徳観の分析を行い、国民性における潔白性の位置づけを考察し、潔白性がどのような「日本人像」を理想として提示していたのか、また潔白性を通じた清潔規範が人々の生活にいかに影響していったのかを明らかにする。2022年度はこれまでの研究調査について分析をおこない、学会発表などをおこなった。ただし、新型コロナウイルスの流行により、資料調査はやや遅れてしまった。2022年度の成果は以下である。
1.2021年度に科学史学会で、清潔規範がいかに浸透・構築したのかを明らかにするために、家庭衛生の領域に注目し検討し報告をおこなったが、その内容を発展させたものをAssociation for Asian Studiesで報告した。明治大正期の医師、女子教育に関わる教育者、児童教育の専門家による言説や当時の欧米の公衆浴場運動と日本の公衆浴場との関連性についても考察を加え発表した。加えて建築討論(ウェブ)にも研究成果を報告した。
2.ボストンで公衆浴場運動でつくられたPublic Bathに関する調査をおこなった。ボストンはアメリカで比較的早く公衆浴場運動が展開した地域であり、現在は異なる施設であるが、当時のPublic Bathの建物がそのまま使用されていることを確認した。
3.2022年度に立命館大学生存学研究所共催でおこなわれたミニシンポジウム「シン公衆衛生?人間の健康増進を超えて」でこれまでの知見をいかし、コメンテーターを担当した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス流行のため、調査を十分におこなえなかったことが理由である。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルス対策が緩和したことにより調査はこれまでより円滑におこなえる可能性が高いと考えている。これまでの調査結果を細かに積極的に発表していく。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの流行により調査が十分にできなかったことが大きな理由である。次年度は対策が緩和されることにともない調査が十分おこなえる可能性があり、感染状況と緩和されたタイミングを鑑みながら計画を進めていく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] まちをきれいにする・ひとをきれいにする2022

    • Author(s)
      川端美季
    • Journal Title

      建築討論

      Volume: 202207 Pages: ‐

    • Open Access
  • [Presentation] BATHING, CLEANLINESS, AND HOME HYGIENE IN MODERN JAPAN2023

    • Author(s)
      川端美季
    • Organizer
      Association for Asian Studies, Annual Conference
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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