2023 Fiscal Year Annual Research Report
明治・大正期文学における進化論・退化論パラダイム表象に関する総合的研究
Project/Area Number |
21K00314
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石原 千秋 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00159758)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 進化論 / 退化論 / 速さ / 資本主義 / 恐れ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、進化論的感性と退化論的感性が文学にどのような表象として現れるかを具体的に検討した。実際、この時期(あるいは現在でも)退化論の内容をしている日本人はごく限られていたはずである。だとすれば、退化論的パラダイムは、本人はそれと知らずに感じる、感性として現れはずである。近代文学史上いわゆる反近代と呼ばれる作家たち、たとえば泉鏡花などの文学こそは退化論的感性がよく現れている。 あるいは、漱石文学ならば『行人』の長野一郎のように、科学が人間に強いる速さへの恐怖を感じる人間も反近代であり、退化論的感性の持ち主だと言うことができる。そして、この感性は西洋諸国、特にイギリスで漱石が学んだものだった。 幸い、日本病跡学会で発表の機会を与えられたので、発表してそれを活字にすることができた。
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Research Products
(1 results)