2021 Fiscal Year Research-status Report
A Historical Study of the Representation of Illness, Medicine, and Nursing in Early Victorian Literature
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21K00405
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西垣 佐理 近畿大学, 農学部, 准教授 (00581042)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 初期ヴィクトリア朝文学 / 病 / 感染症 / 看護 / ジェンダー / ディケンズ / サッカレー / ブロンテ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、申請書に則って、初期ヴィクトリア朝文学における看護表象とジェンダーに関する資料を収集し、分析を行っている。ところである。特にチャールズ・ディケンズの小説『ドンビー父子』を中心に病と看護表象についての論を構築中である。 また、感染症や医療、および看護の言説が作られた背景を探るため、当時の新聞や雑誌、医学書などの文献を精査した。特に当時は感染症に対する世間の関心が高まり、公衆衛生に対する政府の取り組みも盛んであった。ジョン・スノウによるこれらの疫学調査やエドウィン・チャドウィックによる公衆衛生の報告書、そしてフローレンス・ナイチンゲールの『看護覚え書き』にみられる「換気」の概念などは、初期ヴィクトリア朝文学作家の作品にも色濃く反映されていることがわかった。そのため、これらを先に調べることで初期ヴィクトリア朝文学における病や看護の描写にどの程度影響を及ぼしたのかを多少確認できたように思う。 ヴィクトリア朝イギリスにおける病・医学・看護に関する言説や、ジェンダー・イデオロギーに関する当時の資料は、テクスト分析および成果発表において不可欠なもので、本来であれば英国の大英図書館等に赴いて資料収集に当たるはずであったが、コロナ禍で断念せざるを得なかったので、次年度以降、状況の回復次第であるが、改めて英国での研究活動を継続したいと考えている。これらの研究成果を発表する場もコロナ禍で得ることができなかったが、次年度に現在取り組んでいる研究の成果を何らかの形で発表できる機会を設けたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のために渡英できなかったこと、自身の体調不良により、治療のためある程度の期間を休養に充てる必要があったので、研究資料を読み込んだり分析する時間が思うように取れなかったことなどがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、昨年度にできなかった部分をできる限り取り込んで、遅れている分析・論文執筆に充てたいと思う。また、機会があれば学会発表等で中間報告を行い、成果を可視化できるようにするつもりである。そうすることで、当初の課題遂行の流れがある程度元に戻せるのではないかと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の為に渡英して研究活動を行うことができなかったこと、および自身の体調不良により、研究に思った以上に時間を割くことができなかったため。 次年度以降に可能な状況が整ったときに英国で研究活動を行ったり、学会活動に参加し、論文執筆や研究発表のために資料を購入する費用に充てたいと思う。
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