2023 Fiscal Year Research-status Report
Propose rephrasing and explanation of difficult infectious disease-related terms and verify the effect of promoting understanding
Project/Area Number |
21K00551
|
Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
横山 詔一 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (60182713)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80275148)
相澤 正夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 名誉教授 (80167767)
前田 忠彦 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
久野 雅樹 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20282907)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 感染症関連用語 / 難解用語 / 理解促進 / 言い換えと説明 / 可読性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新型コロナウイルス感染症の関連用語に対する社会的許容度について統計的分析を行なった。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2020年初めから世界規模で爆発的に拡大し、社会に大きな影響を与えた。これまでの社会システムでは対応が困難な事象への措置や、在住民全体に向けた即時性のある情報配信などが求められ、これまでにない用語が行政やメディアの発信する情報に含まれるようになった。なかでも「ソーシャルディスタンス、ステイホーム、3密」などについては、国民の大部分が高頻度かつ短期間で集中的に当該用語に接触するという特異な状況がみられた。そのため、接触頻度の生年(年代)差や男女差は前例がないほど小さいものだったと仮定できそうである。 そこで、文化庁が2021年に「国語に関する世論調査」の一環として収集したデータ(オープンデータ)を用いて研究を進めた。分析手法はロジスティック回帰分析を用いた。説明変数が回答者の生年(年代)と性、目的変数が社会的許容度であった。分析の結果,カタカナ語については生年(年代)と性の効果が有意であった。また、省略語については性の効果のみが有意であった。その一方、漢字四字熟語については生年(年代)と性のいずれの効果も有意ではなかった。これらの結果について語種や造語の観点から考察を試み、今後の課題についても検討した。 ちなみに、政府機関が公開する統計資料は、公共財すなわち国家の社会インフラの一環であり、その多くは代表性を有するデータに立脚することを前提にしている。ランダムサンプリングだけではなく、年齢層の幅が広いこと、全国規模であることなどが求められる。本研究で使用した「国語に関する世論調査」のデータは、ランダムサンプリング、幅広い年齢層、全国規模の調査、という3条件をすべて満たしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の関連用語に対する社会的許容度について統計的分析を行なうことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果を英語論文にまとめて国際ジャーナルに投稿することを目指す。
|
Causes of Carryover |
オープンデータの利用が可能であったことから、データ収集にかかる経費が節約できたため。今年度は残額をすべて使い切るように研究を進める。
|