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2023 Fiscal Year Research-status Report

近代の標準語の確立と受容に関する包括的研究―地方出身者の「標準語」―

Research Project

Project/Area Number 21K00553
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

小島 聡子  岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (70306249)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小島 千裕  北海道大学, 教育学研究院, 専門研究員 (60882066)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywords標準語 / 国語教育 / 地方 / 児童雑誌
Outline of Annual Research Achievements

本年度、研究代表者は本務校の学務及び授業等により研究資料の収集には赴けなかったものの、研究分担者は、函館市中央図書館で資料の予備調査を行い、今後調査対象として精査すべき資料について検討した。なお研究分担者の調査により、本研究課題検討時に参考にしたデータベースが、諸事情により既に公開停止にされてしまっていることが判明した。ただし、データそのものは北海道立文学館に保存されているため、入手の可能性は残されているとのことなので、計画を軌道修正しつつ研究を進める必要がある。
また、研究代表者は宮沢賢治の表現を取り上げ、検討した。宮沢賢治は大正期から昭和初期に活動をしていた人で、地方出身で方言話者として標準語と方言の違いについて強く意識しつつも、標準語の表現になじみ切れておらず、特に童話作品で易しい話し言葉らしい表現の部分で、方言の影響とみられる標準語らしからぬ表現が散見することを指摘した。一方、宮沢賢治の文語文(普通文)については、当時の普通文の規範の一端を示す「文法上許容スベキ事項」との合致状況を見ても、当時の文語文の例と比較して、特異な表現は見当たらず、当時の文語体が誰もが規則を習って使う言語で、特に話し言葉の干渉を受けにくいものであったためと考えられることを指摘した。これらの分析に際し、宮沢賢治の得業論文「腐植質中ノ無機成分ノ植物二対スル価値」をテキストデータ化した上で形態素解析し簡易コーパスとして利用した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

一部予定を進めてはいるが、本務の多忙化が著しく、他の課題の対応もあり、前年度までの遅れを取り戻すには至っていない。

Strategy for Future Research Activity

函館市中央図書館及び札幌文学館などの資料を所蔵する図書館に赴き、資料の探索・収集を急ぐとともに、収集した資料を研究分担者とともに分析する。収集したテキストについては、データ化を進めるが、その際は最新のツールを利用して簡略化を図る。

Causes of Carryover

研究計画通り進んでおらず、調査のための出張旅費や、調査資料のデータ化のための予算などが使用しきれずに残っている。次年度以降は、積極的に調査に行き、データを収集する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 宮沢賢治の表現にみる日本語の「あわい」―文語と口語、標準語と方言―2024

    • Author(s)
      小島聡子
    • Journal Title

      文学・語学

      Volume: 240 Pages: 148-158

URL: 

Published: 2024-12-25  

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