2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of Japanese fillers : Using Optical Topography to Analyze Language and Sentiment
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21K00561
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
山根 智恵 山陽学園大学, 総合人間学部, 教授 (60269983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 武 広島工業大学, 工学部, 教授 (10197444)
石原 茂和 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (90243625)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フィラー / 脳 / 光トポグラフィ / fNIRS / ハイレゾ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績の概要は以下の4点にまとめられる。 1.2022年度は県外への移動も可能になり、8月~9月にかけて29名(日本語母語話者7名、韓国語母語話者7名、中国語母語話者7名、ベトナム語母語話者8名)にひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点で実験を実施し、データを収集することができた。実験の内容は、発話実験と聴取実験で、発話実験については①うれしかったこと・楽しかったことを約1分話す、②悲しかったこと・つらかったことを約1分話す、③研究代表者と約3分会話する(日本語非母語話者については母語での独話、母語話者同士の会話も行う)を実施した。得られたデータの一部から、フィラー発生時の血流の状態や波形をチェックし、日本語母語話者・韓国語母語話者のものから分析中である。 2.海外では、研究代表者が別件で台湾に出張した際、大学間協定校の協力を得て、アンケート調査を実施することができた。 3.研究代表者が分担執筆者(「パラ言語と敬語」)になった『敬語の事典』が2022年9月1日、朝倉書店から刊行された。執筆原稿の内容は、フィラーと丁寧度に関するパイロット聴取実験の結果で、フィラーがある発話とない発話のどちらを丁寧と感じるか、それが日本語母語話者と日本語非母語話者では異なるのか、という、本研究と関係するものである。 4.来年度から広島大学にある光トポグラフィでの実験ができなくなったが、岡山県立大学にあるfNIRSでの研究が可能となり、機器所有者の先生(2023年度から研究分担者に)と打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は県外への移動も可能になったため、実験を実施し、データを収集することができた。しかし、2022年度に実施したひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点が壊され、この拠点にあった光トポグラフィが2023年度から使用できなくなることになったため、2022年12月末までは実験で得られたデータを研究代表者のSDカードに入れることに追われ、データ分析が日本語母語話者、韓国語母語話者の一部しか行えなかった。また、2022年度も海外出張は難しい状況だったので、海外でのアンケート調査はほとんど実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策を以下の3点にまとめる。 1.岡山県立大学にあるfNIRSを借りて実験を行うことが可能になったので、2023年度は昨年度協力してくれた研究対象者だけでなく、新たな研究対象者を募集し、昨年度の研究内容に少し修正を加え、実験を試みる。また、今回使用する機器は簡易版なので、アンケ-ト調査のために韓国・台湾・ベトナムに出張した際に、機器を日本から持ち出し、日本に持って帰ることが可能かどうか、現地の税関に問い合わせすることを考えている。また韓国・台湾・ベトナムに機器を持って行かなくても、その国に機器があり、借りて実験できるのかについても協定校の担当者や知人に問い合わせ、確認しようと思っている。 2.新型コロナウイルスの感染が落ち着き、海外出張も可能になったので、2023年度は韓国・台湾・ベトナムでのアンケート調査を実施する予定である。 3.昨年度収集したデータを分析し、学会に応募して発表し、論文にまとめたい。また、コロナ禍で研究が遅れたので、研究期間を1年延長し、昨年度収集したデータと今年度収集したデータをまとめ、日本の学会だけでなく、海外の学会でも発表し、論文にする。
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Causes of Carryover |
1.理由:(1)コロナ禍で海外出張が難しかったため。(2)広島大学の機器が使用できなくなったため。 2.使用計画:(1)岡山県立大学で実施する実験に協力してくれる研究対象者への謝金に充てる。(2)韓国・台湾・ベトナムへの海外出張費、8月に国内で発表する学会の出張費に充てる。(3)2024年度まで研究を延長し、その際の実験に関わる費用や国際学会発表の出張費に充てる。
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Research Products
(1 results)