2022 Fiscal Year Research-status Report
日本人英語学習者の英文読解における音韻符号化の役割
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21K00715
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
佐々木 大和 帝京大学, 理工学部, 助教 (00880486)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リーディング / 英文読解 / 音韻符号化 / 音韻処理 / 強勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,日本人英語学習者の読解中の音韻符号化を検証する。先行研究では,音韻符号化における日本人英語学習者の読解熟達度や音韻認識能力の熟達度の影響を検証した研究が少ない。また,読み方や読解指導による黙読中の音韻符号化の程度やプロセスの変化が検証されていないといった限界点がある。したがって,本研究の目的は (1) 日本人英語学習者の読解・音韻認識の熟達度による読解中の音韻符号化の違い,(2) テキスト理解度と読解中の音韻符号化の関係性,(3) 読み方による読解中の音韻符号化の違い,(4) 指導による読解中の音韻符号化の変化を明らかにすることであった。 2022年度は,読解中の音韻符号化に関わる能力である音韻認識能力,特にプロソディーの中でも強勢に関わる音韻認識能力と英文読解熟達度の関係を調査した。具体的には,日本人英語学習者の読解熟達度,音韻認識能力 (Phonological Awareness,Prosodic Awareness) の関係を調査した。結果として,読解熟達度に強勢に関わる音韻認識能力が貢献していることが示唆された。今後はこの実験を論文としてまとめる予定である。また,2021年度に行った読解中の強勢処理に関するオフライン実験のオンラインでの処理を検証する実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進めるにあたり,強勢に関わる音韻認識能力と読解熟達度の関係を調査する必要があり,その実験を行った。そのため,読解中の音韻符号化に関してオンラインでの実験を行うことができなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に作成したマテリアルを活用し,読解中の音韻符号化,特に黙読時の強勢の処理について,今後はオンラインでの実験を引き続き行っていく予定である。 さらに,読み方による黙読時の音韻符号化の特徴や指導による読解中の音韻符号化の変化についても検証を行っていく。研究成果発表に関しては,国内の学会だけではなく,海外の学会でも積極的に発表を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
1,2年目は協力者への謝金を必要としなかった。しかし,今後謝金を支払う必要がある実験をしていく予定である。旅費に関しても,国内・国外ともにオンラインでの開催になってしまったため,計上していた予算を使用することができなかった。オフラインで開催の国内・海外学会も増えているため,今後積極的に国内・海外学会ともに参加・発表していく予定である。次年度使用額は,人件費や謝金,学会への参加旅費等に使用予定である。
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