2023 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing an objective measurement of L2 listening anxiety through the use of sensing devices.
Project/Area Number |
21K00776
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
竹内 理 関西大学, 外国語学部, 教授 (40206941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田實 佳郎 関西大学, システム理工学部, 教授 (00282236)
植木 美千子 関西大学, 外国語学部, 准教授 (30737284)
宝田 隼 関西大学, システム理工学部, 准教授 (40637089)
脇田 貴文 関西大学, 社会学部, 教授 (60456861)
守谷 順 関西大学, 社会学部, 教授 (70707562)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | センシング技術 / モーションセンシングディバイス / 第二言語不安 / 外国語学習不安 / 質問紙 / 客観的評価 / 主観的評価 / 測定方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度までの研究成果を組み込み、英語コミュニケーションの場面で日本人の英語学習者が経験する外国語不安とストレスに焦点を当てて研究を行なった。この際、不安の客観的(生理的)指標として、心拍変動(LF/HF比)を採用し、圧電センサー技術を用いて測定した。加えて、実験終了後、実験中のコミュニケーションで生じた言語関連事象(言い間違い・言い淀み・沈黙など)を実験参加者に提示し、その事象が生じた際にどの程度の不安を感じていたかを10段階で自己評価をさせた。さらに質問紙による調査も行い、不安とストレスの評価に関する主観的なデータも収集した。 実験では、参加者は異なるトピックについて5分間の英語コミュニケーションを3回行い、それぞれのセッションでの生理的反応の指標が記録された。分析の結果、主観的な不安・ストレスが低い参加者(平均値50未満)の場合、生理的指標と主観的指標の間に正の相関が確認された。一方で、主観的な不安・ストレスが高い参加者(平均値50以上)では、これらの指標間に負の相関が見られ、参加者が実験後に自己のパフォーマンスを振り返る際の解釈バイアスの存在が示唆された。また、圧電センサーを用いた生理的指標の測定値が、英語コミュニケーションの場面における困難な事象に反応して変動していることも示された。さらに分析をすすめると、生理的指標の変動が、ワーキングメモリに負担がかかる事象が惹起した際に、特に顕著に現れていることも分かった。このことより、生理的指標がワーキングメモリの活動の程度を示す可能性があることが示された。 期間全体を通じては、不安測定時の客観的指標と主観的指標の乖離が明らかになったほか、客観的指標に影響を与えるいくつかの要因も特定された。また、客観的指標がワーキングメモリなどの心理学的なモデルとも親和性を持つことが示された。
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Research Products
(3 results)