2021 Fiscal Year Research-status Report
Historical materials of Japanese labor in the United States of America.
Project/Area Number |
21K00829
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三宅 明正 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 名誉教授 (30174139)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 日本労働史 / 史料研究 / アメリカの史料 / 史料公開 / 日本近現代史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を実施する三宅明正は、1970年代の後半から日本国内の個別企業(事業所)や労働組合事務所などを訪れて労働史の原史料を収集し、それを用いて日本の労働の史的な特質解明に努めてきた。1990年代からは国内に加えて海外、特にアメリカの文書館、労働機関で関連史料を探しだし、それを用いた研究を重ねた。これらの研究を通して、日本の労働者には「従業員」という性格が強く、それは労使の相互作用によって歴史的に形成されてきたことを主張した。 その過程で三宅が集めたこれらの史料は学術研究上貴重なものが多く、2018-21年度に科学研究費「既収集日本労働史史料の点検と公開」(課題番号18K00921)を得て、まず主に国内で集めた史料を電子媒体化して公開する作業を終えた。 本研究は以上の経緯を踏まえて、三宅がアメリカの文書館から既収集の、さらに新たに収集する労働関係の史料を整理して電子媒体化の上で公開し、広く利用可能にしようとするものである。これによって日本の労働史を中心に関連分野を含めた研究の進展が期待できると考える。 2021年度は、コロナ禍でアメリカの文書館の現地調査(予備調査)が困難だったため、すでに三宅が集め手元にあるウェイン・ステイト大学労働都市文書館のヴァレリー・ブラッティ関係文書の電子化をまず進め、並行してアメリカ各地に残されている日本の労働関係史料の文献的な調査を中心に作業を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため渡米調査(本調査のための予備調査を含めて)ができず、実際の作業はすでに手元にあるものの電子化および分類整理と、アメリカ各地に残されている日本の労働関係史料の文献的な調査作業になった。新たな発見はあったものの、全体としてみると当初の予定通りとは言いがたいのでやや遅れていると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度にはできるだけ渡米調査を実施したい(場合によっては予備調査)。また、21年度に電子化を進めた史料はすでに手元に集めたものの一部なので、その他の史料について電子化と分類整理を行う。前年度に続き文献的な調査を絵行うが、できるだけ史料の時期をしぼって実施する。しぼる対象は現在のところ占領期を予定している。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のため渡米調査(予備調査)が実施できず、旅費の使用はなかった。いっぽうで文献調査のための経費(物品費)が当初計画より増えた。こうした支出の内訳の変更の結果、残額が生じた。 この残額は2022年度の調査費に組み込む予定である。
|