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2022 Fiscal Year Research-status Report

象徴天皇制とメディアー「皇室アルバム」関係史料の歴史的検討ー

Research Project

Project/Area Number 21K00831
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

河西 秀哉  名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (20402810)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords象徴天皇制 / メディア / 皇室
Outline of Annual Research Achievements

敗戦後から平成期に至るまでの広範な時期の象徴天皇制とメディアに関する史料を多数収集し、その分析を試みた。
特に、第一に新聞や雑誌などから象徴天皇制をめぐる報道に関する記事を抽出した。新聞だけではなく、月刊誌や週刊誌など様々なメディア媒体を閲覧したことはこれまでの研究にはない側面だと思われる。時に緊張関係を有しながら報道が展開されている様子、時にある種の「蜜月関係」である状況などがそうした史料からは浮かび上がってきた。
第二に、メディア関係者に聞き取りを実施し、メディア側からの象徴天皇制に関する報道の意義を明らかにした。従来、こうした方向性(メディアの伝える側)から検討されてきたことはあまりなかったゆえ、本研究の大きな柱であるとともに、新規性の一つとも言える。メディア関係者が個人的に所有している史料についても閲覧するなど、これまで残りにくかった記者の史料を閲覧分析した。
第三に、宮内庁関係者からも聞き取りを行い、伝えられる側の思考をも明らかにしたことである。この方向からのアプローチをとることで、伝える側の第二の点との関係をより複眼的に明らかにすることができたと考える。
以上のような研究実績をまとめる作業を現在は行っており、今後、書籍として公表し、社会に研究成果を還元するとともに、社会的な批判を受け、より研究課題をブラッシュアップするように心がける。そして、現在や今後の象徴天皇制を考える手がかりとする。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度まではコロナ禍で史料調査も制限されていたが、出張も比較的頻繁にできるようになり、調査をかなり進めることができた。特に、新聞や雑誌史料などから天皇制とメディアの関係性に関する記事を多数抽出することができた。また、宮内公文書館においては平成期における長官・次長の会見録を閲覧し、宮内庁がいかに情報発信を行おうとしていたのか、また記者は宮内庁から何を聞き出そうとしていたのか、それを踏まえてどう報道しようとしていたのかが史料から明確となった。
さらに、関係者からの聞き取りも進めている。宮内庁関係者やメディア関係者からお話しをうかがう機会を多数得た。それによって、史料には触れられていない問題についても接近することができた。また、史料に書かれている文言の意味についてもより深く理解することが可能となった。
以上のような複写した史料、聞き取りの記録を研究室などでも分析し、書籍や論文として研究をまとめている点でも、研究計画は順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

近年目覚ましく発達しているデジタルアーカイブをさらに活用するとともに、デジタルでの目録検索なども使って、史料調査をできるだけより早くに進めるように努める。それを含めて、象徴天皇制とメディアの関係性に関する様々な史料をさらに収集するようにする。
聞き取りについては、これまで行った方々からさらにお話しをうかがった方がよいみなさんを紹介してもらう。紹介していただくと、インタビューに応じてくれる確率は高くなる(もちろん、自身で聞き取り対象者を広げる努力も同時に行う)。こうした作業によってさらに多様な観点からの分析を試みるようにする。
以上を踏まえて、研究を推進していく。構造的に象徴天皇制とメディアの問題について考えるだけではなく、天皇や皇后といった具体的な人物のライフヒストリーを描く方法も採用し、その点からもこの問題についてアプローチする。今後は、できるだけ社会に研究成果を還元すべく、書籍や論文の執筆をペースをあげて進めていく。

Causes of Carryover

2022年度はコロナ禍のなかでも緊急事態宣言やまん延防止措置がなくなり、史料調査のための出張ができるようになったため、執行できることができた。ただし、2021年度はコロナ禍のために出張が認められず、かなりの額が残ってしまった。2022年度は2021年度分までを使用できず、2023年度まで繰り越すこととなった。2023年度はより多くの史料調査を行い、次年度使用額を使用していく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Presentation] 日本近現代史、特に象徴天皇制研究からのコメント2022

    • Author(s)
      河西秀哉
    • Organizer
      科研費補助金基盤研究A「共和政の再検討:近代史の総合的再構築をめざして(代表:中澤達哉)」研究会 科研費補助金基盤研究A「共和政の再検討:近代史の総合的再構築をめざして(代表:中澤達哉)」
    • Invited
  • [Presentation] 皇室財産はどのように見られているのか2022

    • Author(s)
      河西秀哉
    • Organizer
      法制史学会近畿部会 法制史学会近畿部会
    • Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

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