2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K00840
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
近藤 祐介 鶴見大学, 文学部, 准教授 (40578689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石津 裕之 東京大学, 史料編纂所, 助教 (50812674)
芳澤 元 明星大学, 人文学部, 准教授 (60795441)
菊地 大樹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (80272508)
小池 勝也 中京大学, 文学部, 講師 (10906241)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 門跡寺院 / 寺院史 / 中近世移行期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中近世移行期となる15世紀から17世紀を中心に、門跡寺院に関わる史料を収集し総体的な検討を行うことで、中近世移行期における宗教史の分野横断的な議論を試みるものである。そのために①中近世移行期(15世紀~17世紀)の門跡に関わる史料の所在調査や未翻刻史料の翻刻を行い、史料の性格などについて研究を行うこと、②既刊の史料集などを活用し、門跡の聖俗双方にわたる活動を収集することで、基礎データを構築し、学界に提供すること、以上の2点を具体的な目的として掲げている。 初年度に当たる本年はコロナ禍により、予定されていた調査を十分に行うことができなかったが、京都大学総合博物館において青蓮院関係史料を閲覧したほか、京都大学古文書室において、江戸時代に聖護院門跡の院家である若王寺が所蔵していた文書を聖護院関係者が写したと考えられる『聖護院若王子記録』(全11冊)などの調査を行った。 また近藤祐介「修験道から見た戦国仏教」(『歴史評論』863)、石津裕之「年預記録-北野天満宮を支えた社僧の職務日記」(福田千鶴・藤實久美子編著『近世日記の世界』ミネルヴァ書房)、菊地大樹「青蓮院吉水蔵慈円関係聖教について(上)」(『東京大学史料編纂所研究紀要』32号)、小池勝也「鎌倉府政権下における鎌倉三ヵ寺の盛衰」(菊地大樹・近藤祐介編『寺社と社会の接点―東国の中世から探る―』高志書院)、芳澤元「総論 室町文化論構想ノート―都鄙関係・境界地域からの見直し―」(芳澤元編『室町文化の座標軸―遣明船時代の列島と文事―』勉誠出版)などの論考を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大のため、当初予定していた叡山文庫における本科研メンバー全体での史料調査を実行することはできなかったが、京都大学古文書室や京都大学総合博物館などでの個別の史料調査を実施することで、来年度に向けた調査の足掛かりを作ることができた。また刊本史料集を用いた門跡関連史料収集も行っており、基礎データの構築に向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は以下のような活動で研究の推進を図っていく。 ①京都大学古文書室所蔵の『聖護院若王子記録』のマイクロ撮影を依頼し、史料の紙焼き複写を購入し、翻刻作業を進める。②東京大学史料編纂所所蔵の『若王子神社文書』(影写本)『若王子文書』(写真帳)と京都大学古文書室所蔵の『若王子文書』を調査し、その異同を確認する。③叡山文庫において近世の青蓮院門跡関係史料のうち「寺務所」に関わる史料の調査を行う。④中世に青蓮院門跡の脇門跡とされた曼殊院門跡について検討するために、叡山文庫において関連史料の調査を行う。⑤生活文化のレベルから顕密諸寺や禅林・真宗寺院と政治権力の関係を追究する。⑥東京大学史料編纂所や京都府立京都学・歴彩館において未翻刻の鶴岡八幡宮寺関係史料などの調査を行う。⑦オンライン会議などで情報を共有し、共通認識を培っていく。 なお、コロナ禍により2022年度も史料調査が制限される可能性があるが、準備を進め機会を捉えて集中的な調査を実施したい。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初予定していた叡山文庫での科研メンバー全体での史料調査を実施することができず、そのため旅費の未支出額が大きくなった。 2022年度は、関係機関と協議・調整し感染症対策を行いながら、叡山文庫などでの調査を科研メンバー全員で実施するなど史料調査を本格化させる予定である。また2021年度に実施した調査の結果、京都大学古文書室所蔵の『聖護院若王子記録』についてマイクロ撮影を依頼する必要があることが分かったので、撮影を依頼し紙焼き複写を購入する予定である。
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Research Products
(17 results)
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[Book] 近世日記の世界2022
Author(s)
福田 千鶴、藤實 久美子
Total Pages
488
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
978-4-623-09369-4
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