2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K00840
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
近藤 祐介 鶴見大学, 文学部, 准教授 (40578689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石津 裕之 東京大学, 史料編纂所, 助教 (50812674)
芳澤 元 明星大学, 人文学部, 准教授 (60795441)
菊地 大樹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (80272508)
小池 勝也 中京大学, 文学部, 講師 (10906241)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 門跡寺院 / 寺院史 / 中近世移行期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中近世移行期となる15世紀から17世紀を中心に、門跡寺院に関わる史料を収集し総体的な検討を行うことで、中近世移行期における宗教史の分野横断的な議論を試みるものである。 2023年度はオンライン会議などで情報共有をしつつ、各メンバーがそれぞれの担当作業を進めるとともに、2024年度に開催するシンポジウムに向けて、報告者や会場選定などの準備を行った。具体的な調査作業は以下のとおりである。 ①聖護院門跡関連では、昨年度に引き続き京都大学古文書室所蔵『聖護院若王子記録』の翻刻・分析を進めた。また東大史料編纂所所蔵『若王子文書』の分析を進めた。 ②青蓮院門跡関連では、2024年1月31日~2月1日に大津市の叡山文庫に出張し、近世の門跡に関する史料調査を行った。 ③そのほかに、門跡を含む中世宗教を俯瞰的に捉えるべく、中世後期に焦点を絞り成果を発表し、鎌倉仏教論と戦国仏教論の課題を、室町幕府仏教史の現況から説き起こし、狭義の宗教史を広げ、主題の拡大に応じた中世社会論に高める必要性を主張し、生業史・戦争論・周縁論との連結など論点を提起した。さらに、京都・南都所在の門跡論だけでは捉えにくい中世宗教の地域的展開についても、中世の関東・奥羽などを事例に研究発表を行った。 以上のほか、史料集や研究書などの書籍購入によって研究推進の基盤整備を進めるとともに、各メンバーが論文執筆・研究発表等によって成果を発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
随時メールやオンライン会議などを活用し、科研メンバー間で情報を共有しつつ、各自が担当する門跡寺院についての史料調査や史料翻刻、データ収集などの作業を進めることが出来た。またシンポジウム開催に向けた準備を具体化できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は本科研の最終年度であるので、科研の成果を社会に発信するためのシンポジウムを6月に開催する予定である。また、聖護院門跡関連史料の翻刻・分析、天台門跡関連史料の掘り起こしのための叡山文庫への史料調査を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
科研メンバー全体での史料調査を見送ったためやや支出が減り、全体として次年度使用額が生じた。その分、個々人での史料調査や研究発表のための旅費や史料集購入のための物品費などの支出が生じた。 来年度はシンポジウムの開催を予定しており、旅費や宿泊費などを含む謝金支出、科研メンバーによる叡山文庫、京大古文書室への調査など大きな支出が見込まれる。
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Research Products
(13 results)