2021 Fiscal Year Research-status Report
戦国大名大友氏領国の展開と「国衆」・秩序意識との関係
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21K00873
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
八木 直樹 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (00526684)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 戦国大名 / 大友氏 / 国衆 / 国人 / 守護 / 戦国期九州 |
Outline of Annual Research Achievements |
「戦国大名」という用語は一般的な知名度が高いにもかかわらず、どのような地域権力を「戦国大名」と呼ぶのか、その定義は明確でない。「戦国大名」と称される地域権力のなかには、北条・武田・上杉・毛利・大友・島津などの複数国を支配下に置く大大名から、支配領域が一郡程度の領主層まで含まれている。規模が小さな地域権力は「国衆」「国人」とも称される。本研究は、九州の戦国大名大友氏を事例に、戦国大名大友氏とその従属「国衆」との具体的な関係のあり方を追究し、「戦国大名」と「国衆」との違いを明確にすることである。 研究初年度である本年度は、まず戦国大名・国衆に関係する文献を購入し、先行研究における「戦国大名」「国衆」の定義・概念について確認した。直接研究対象とする戦国期九州に関するものだけでなく、戦国期の前段階である室町期の研究、また関東・東北・近畿地方の研究に関する文献を購入し、九州における事例を検討する際の参考とした。 次に戦国大名大友氏の勢力圏及びその影響力が及んだ地域(九州各県)に関する自治体史を購入し、関係史料の収集作業を行った。大友氏当主・大友氏家臣と「国衆」との間で交わされた発給・受給文書を中心に関係史料の収集を行った。また、一次史料(古文書)だけではなく、近世に編纂された軍記物・地誌を購入し、関係記事を収集した。 本年度は、志賀氏・田原氏など大友氏の本国豊後(大分県)の国衆を中心に研究を行った。成果としては、志賀氏の系譜関係、田原氏の反乱に関する論文を執筆し学術雑誌に投稿した。いずれの論文も豊後本国内国衆に関する基礎的な事実関係を明らかにした論文である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主たる研究対象は、大友氏の本国豊後(大分県)ではなく、戦国期に新たに大友氏が進出した豊後以外の領国(福岡県、熊本県)とその周辺地域(佐賀県、宮崎県、長崎県)である。しかし、コロナウイルス感染症の影響で大分県外における史料調査の計画が立てられなかったことにより、大分県外に存在した国衆に関する研究が当初の計画通りには進まなかった。そのため進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も九州各県の自治体史などの史料集を中心に、戦国大名大友氏と従属する「国衆」に関する史料の収集作業を継続して行う。本年度はコロナウイルス感染症の影響で大分県外における史料調査が実施できなかったが、状況をみながら可能であれば福岡県・佐賀県の県立図書館における調査と東京大学史料編纂所における調査を実施したい。 ただし、コロナウイルス感染症の収束が見通せず、史料調査の計画が立てられない場合には、大分県外ではなく豊後本国(大分県)の国衆を中心とした研究を推進したり、またイエズス会宣教師の史料から関係史料の収集を行うなどの対応をしたいと考える。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、コロナウイルス感染症の影響により当初予定していた東京大学史料編纂所、福岡県立図書館など大分県外における史料調査が実施できなかったためである。 次年度使用額は、当初の計画通りに大分県外における史料調査の旅費に使用したい。
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Research Products
(1 results)