2022 Fiscal Year Research-status Report
朝鮮無文土器時代における洪水被害・人口圧と集落動態の研究
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21K00956
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
端野 晋平 徳島大学, 埋蔵文化財調査室, 准教授 (40525458)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 朝鮮半島 / 無文土器時代 / 洪水 / 集落 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、①洪水の時期・範囲に関する検討、②農耕集落の動態に関する検討を行った。①洪水の時期・範囲に関する検討では、まず、渡来人の故地の候補地とされる、南江流域・洛東江下流域に所在する無文土器時代の遺跡の発掘調査報告書から、洪水に起因する堆積物に関する情報を抽出・整理した。報告書では、洪水に起因する堆積物は、河道や居住地、耕作地上などに堆積した洪水砂層として、報告されることが多い。洪水砂層を挟む、上下の層に含まれる土器などの考古資料によって、洪水が発生した時期の絞り込みを試みた。②農耕集落の動態に関する検討では、発掘調査報告書から、遺跡の立地、種類、存続時間幅に関する情報を抽出・整理した。そして、得られた情報をもとに、各遺跡において、それを構成する遺構・遺物により、居住域・墓域・生産域(水田・畑)といった種類を確定し、これに立地情報も加えたうえで、存続時間幅表を作成しようとした。本研究の目的は、洪水・人口圧変動が農耕社会に与えた影響とそれに対する人間集団の適応戦略を解明し、列島への水稲農耕伝播メカニズム解明の証左を得ることであるが、以上の活動を通じて、この目的を達成するために、有意義な成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データベース構築作業に予想以上の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究補助者を積極的に雇用するなどして、データベース構築と分析作業を迅速に進め、①洪水の時期・範囲に関する検討、②農耕集落の動態に関する検討を完了させる。
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Causes of Carryover |
当該年度は研究補助者の雇用ができなかったため、次年度使用額が生じた。そのため、次年度に雇用を実施する。
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Research Products
(2 results)