2022 Fiscal Year Research-status Report
Basic research on food resource investigation in the Paleolithic Age
Project/Area Number |
21K00961
|
Research Institution | Minobusan University |
Principal Investigator |
保坂 康夫 身延山大学, 仏教学部, 講師 (50810785)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 残存脂質抽出 / ガスクロマトグラフ質量分析計 / 炭素同位体分析 / 被熱礫使用履歴分析 / 電気炉実験 / 被熱礫割れ目観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である旧石器時代の食料資源探求のため調理施設である礫群に着目し、礫群を構成する被熱礫の残存脂質分析、および礫群調理法の推定のための被熱礫使用履歴分析を継続した。 残存脂質分析では北海道3遺跡、東京都1遺跡、鹿児島県3遺跡の合計80点の礫について、一部を切断・粉砕し、奈良文化財研究所の庄田研究室にて残存脂質抽出作業を行った。その結果、全ての礫から抽出に成功した。また、GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)による分析を進めた。さらに、特に残存量の多い21点について、イギリスのヨーク大学に送りGC-c-IRMSによる炭素同位体分析を実施した。 被熱礫使用履歴分析では、調理法の違いにより被熱礫の割れ目に違いができることを想定し、電気炉による焼成実験礫と遺跡の礫群資料とを比較することで、調理法の推定を目指した。遺跡近くの6河川から採取した4岩種116点の河床礫について電気炉で焼成した。800℃に焼成後、ストーンボイリング法を想定した水浸、グリル法を想定した半面水冷却(調理対象に見立てた水を含ませた金タワシを焼成礫の上に置く実験)、石蒸焼き調理を想定した全面水冷却保温(水を含ませた金タワシで焼成礫を包み、水を含ませた新聞紙による保温環境の中に投入にてタオルで封入する実験)の3種類の実験を行った。実験礫に出現する割れ目の観察を行い、遺跡の礫群礫の割れ目との比較を行うため、割れ目のギザギザ度について数値化を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
残存脂質分析では、分析機器の調整が整い順調に分析を進めることができた。ヨーク大学においても、予定通りに分析結果を報告いただいた。 被熱礫使用履歴分析については、電気炉実験を計画的に順調に進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
残存脂質分析では、庄田研究室のGC-MSで残存脂質の生物指標について分析を進める。また、ヨーク大学に追加の資料を送り、さらに分析を進める。 被熱礫使用履歴分析では、実験礫割れ目のギザギザ度の数値化を実現し、遺跡礫群の実施料との対比作業を推進する。
|
Research Products
(4 results)