2021 Fiscal Year Research-status Report
The Reconstruction Process of Risshakuji Temple and the Origin of Popular Beliefs: An Examination of the Builders of Stone Cultural Properties
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21K00969
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
荒木 志伸 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 准教授 (10326754)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 石造文化財 / 霊場 / 東北地方 / 庶民信仰 / 立石寺 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染症に関わる学内ルールに沿って、立石寺の石造文化財に関する建立者・地域等の情報を得るためのフィールド調査の機会を数度にわたり検討した。しかし、結果的には断念せざるを得なかった。当初、本年度に目的としていたフィールドワークによる石造文化財調査は中止とし、文献収集や比較対象霊場の現地踏査など、個人で実施可能なテーマを推進する方針に転換した。 立石寺の近隣霊場や周辺墓地等に所在する石造文化財の小規模な調査を複数個所で実施した。また東北地方の庶民信仰に関わる博物館等の特別展・企画展等で調査し、研究テーマに関わる情報収集をおこなった。これらの点については一定の成果を得ることができた。特に、庄内地方や出羽三山関係の石造文化財との比較検討においては、石造文化財の形式・建立動機など、立石寺ととの様々な相違点が見出せそうである。既に松島瑞巌寺周辺の石造文化財との比較検討において指摘していた点ではあるが、屋号のみならず建立者の地域性について、今後の課題として注目したいと考えている。 なお、立石寺をはじめとする山形県内での現地調査における打ち合わせのなかで、関係各所からこれまで以上に様々な意見を頂いた。今後も長期的な調査・研究を継続したいとの観点から、フィールドに一層寄り添った判断を従来以上にしていきたいと考えている。徒に現地での調査を急ぐのではなく、相互の意見のやり取りをふまえた信頼関係の上に、研究も成立するものとの考えをもとに、引き続き密な連絡体制を心がけていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
立石寺をはじめ、調査を予定していたフィールド関係者と相談の結果、当初の目的としていた調査が実施できなかったことが大きな要因である。コロナ禍において無理を押して現地調査に入るより、従来の信頼関係を維持しつつ、個人レベルで安全に推進できる研究内容・活動を優先事項とした。なお、こうしたフィールド調査以外の部分については順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の学内基準に沿いながら、引き続き現地調査の機会を探っていきたい。ただし、その前提としてフィールド関係者に寄り添った判断を臨機黄変にしていきたいと考えている。また、従前の調査データの分析も、より細かな分析項目を設定することにより、研究の展開が望めそうである。また、今年度中に現段階での研究成果をまとめ、建立者や屋号に関する見解をまとめ、誌上発表あるいは学会等で公表する機会を設けたい。
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Causes of Carryover |
所属大学における新型コロナウイルス対策の基準や調査予定地の関係各所と相談した結果、大規模なフィールドワークが実施できず、人件費など関係する費用において残留分が生じた。また、比較検討対象としたフィールドへの現地調査も、同様の条件下において出張等が困難となり、繰越せざるを得なかった。
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