2021 Fiscal Year Research-status Report
Study to restore value lost from specimens: history of the Dr. Yoshimaro Yamashina's bird collection
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21K01005
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Research Institution | Yamashina Institute for Ornithology |
Principal Investigator |
小林 さやか 公益財団法人山階鳥類研究所, その他部局等, 研究員 (70414092)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鳥類標本 / 標本史 / アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、古い標本の歴史的背景を調査する過程で標本に関連する資料や文献を見出して、個々の標本に「正しい情報」を与え、情報が不明確とされてきた古い標本と、その証拠となる資料の双方の研究資源としての価値を向上させることを目的としている。古い標本は、長期間の保存の過程で、本来保有していたはずの「いつ」、「どこで」採集されたかという情報が、ラベルの誤読、管理者の変更で伝達されなかったなどの理由で、不明確な場合がある。 山階鳥類研究所は約7万点におよぶ国内最大の鳥類標本群を有している。その中核は創設者である山階芳麿(やましな・よしまろ)が収集した標本群(山階芳麿コレクション)である。 本研究では、山階芳麿コレクション約3万点について、採集旅行ごとに標本群を構築し、構築した標本群ごとに歴史的背景を調査し、各標本がいつ、誰によって、どのような目的で採集されたものかを解明する。この結果得られた情報は、論文発表や「山階鳥類研究所標本データベース」(https://decochan.net/)に反映させることで、山階芳麿コレクションの価値を向上させる。昭和期の鳥類学を牽引した山階芳麿コレクションを解明することで、自然科学に貢献する。 本年度は、山階芳麿が収集した鳥類標本の全容を知るために、標本台帳のデジタル化を進めた。標本台帳は劣化していたため、各ページを撮影した。撮影した画像を元に台帳の内容を入力を行った。 また、これまでの研究から背景が判明した東京帝室博物館旧蔵標本群の一部について、本年度追加調査を行い、「山階鳥類学雑誌」に「明治期の南鳥島産鳥類標本の情報復元」とのタイトルで論文投稿し、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山階芳麿コレクションの標本台帳の撮影を終え、現在、台帳の内容を入力している。台帳のデジタル化は遅れているが、並行して、これまでの研究で分かっている標本群について、歴史的背景の調査を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
山階芳麿コレクションの全容把握のため、標本台帳のデジタル化を進める。また、並行して、これまでの研究で分かっている標本群については、歴史的背景の調査を進め、標本の情報復元を進める。
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Causes of Carryover |
本年度は標本台帳の撮影が遅れたため、台帳の入力作業をアルバイトに任せられなかった。次年度、入力作業を進めるため、本年度分の謝金を活用する。
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