2021 Fiscal Year Research-status Report
Practical research on how museums, schools and communities collaborate when using intangible folk cultural properties as teaching materials
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21K01013
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Research Institution | Yamanashi Prefectural Museum |
Principal Investigator |
丸尾 依子 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (10574155)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 博学連携 / 地域連携 / 民俗芸能 / 後継者養成 / 民俗芸能の教材化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、博学連携活動の一環として、博物館による当該地域の民俗芸能データベースの作成と、民俗芸能を素材とした学校向け教育プログラムの開発など、民俗芸能の後継者養成を視野に入れつつ、その活用を模索するものである。 初年度においては、県内の民俗芸能の概要と現状など基礎情報を把握するとともに、あわせて教材化のための課題を整理する計画であった。民俗芸能の基礎情報については、山梨県内の民俗芸能に関する情報・資料のデータベースを作成し、これを学校教員向けに公開することも目的としている。そこで、過去に調査を実施した事例や報告書が作成されている事例を中心として情報整理に着手した。その際、山梨県や各市町村が作成した社会科の副読本に掲載されている事例を優先した。そのうち、国指定重要無形民俗文化財であり、山梨県および甲府市作成の副読本に掲載されている「天津司舞」については、基礎情報の整理とあわせ、参考文献と記録映像およびそれらの概要を記載したリストの作成を終え、学校教育における教材研究の資料としても提供可能な状態とした。今後、引き続き上記の情報整理作業を進めていくとともに、「天津司舞」以外の事例についてもリストの作成に努める。 一方で、祭礼の実見調査および伝承団体への聞き書きや、学校教材化に向けた教員への聞き取りは、感染症の影響により実施が困難となった。しかしながら、この調査は本研究の中核をなす「『博学連携』による民俗芸能の教材化と活用促進の方法の検討」には不可欠である。社会状況が好転し、被調査者側の受入れ状況が整い次第、実施に向けて動く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度の基礎作業として、山梨県内における民俗芸能の継承の現状や課題の情報収集、および学校教育における教材化にあたっての課題の整理を行う予定であった。しかしながら感染症の影響により、祭礼における奉納や芸能の稽古が中止となり、保存団体の集まりの機会も失われている。伝承者への個別の訪問も控えざるを得ない状況であり、調査の実施は不可能であった。同様に、学校教員からの意見聴取もほとんど行うことができなかった。 このため、研究の進捗に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施できなかった調査については、被調査者側の受け入れ状況が整い次第実施する心構えである。それにより課題把握や両者との連携の進化に努め、教材作成やその試行に結び付けていきたい。また、引き続きデータベース作成のための基礎情報の整理に努める。
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Causes of Carryover |
感染症の影響により調査の実施が不可能となり、あわせて調査や調査後の資料整理補助員を依頼することも不可能であった。このため研究計画に遅れが生じ、当初の使用計画に挙げた各費目の使用額に差額が生じた。
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