2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Radioactive Waste Management and the Contemporary Democracy: Theoretical and Empirical Study in Japan and European Countries
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21K01304
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
小野 一 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (80306894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 りら 獨協大学, 外国語学部, 非常勤講師 (40614954)
松尾 隆佑 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 講師 (20873326)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射性廃棄物管理 / 原子力発電 / 熟議民主主義 / ステークホルダー / NIMBY |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の研究期間を通じ、研究代表者および研究分担者は、個別にまたは共同で研究・調査活動に従事した。オンライン方式で定期的に行われた公開研究会は8回を数える。2023年度は最終年度に当たるが、特に重要な活動として、9月16日に開催された日本政治学会において分科会(公募企画)A3「放射性廃棄物管理と現代デモクラシー/最終処分場立地をめぐる政治過程を中心に」を設置した。小野一が司会を務め、岡村りらおよび松尾隆佑が報告を行ったほか、科研メンバー以外からも報告者1名、討論者2を迎え、内容の濃い議論となった。放射性廃棄物管理を正面から扱ったシンポジウムを、多くの政治学者を会員に擁する学会で実施できた意義は大きい。 研究分担者が個別に発表した研究成果(2023年度)は、別表のとおりである。松尾隆佑「放射性廃棄物管理における参加と熟議」は、上記の学会報告に加筆修正のうえ論文化したものである。岡村りらも学会報告を元にした論文を準備中である。 本科研の研究期間は、最終処分場「文献調査」など、日本の放射性廃棄物管理政策の急展開が見られた時期である。欧米諸国を中心とする理論的・実証的研究と並行し、日本の動向についても、関係者への聞き取りや現地調査を含むリアルタイムの情報収集を行った。小野一「「2023年対馬問題」と放射性廃棄物最終処分場立地政策の転換点?/「国境離島」を舞台に展開される「寿都」以後の事態打開をめぐる攻防とその矛盾」は、寿都問題を扱った前年発表の論稿とあわせ、地域研究の成果である。 放射性廃棄物問題への関心は、狭義のアカデミズムを超えて広がりつつある。そうした要請に応える活動のひとつが、岡村りら「高レベル放射性廃棄物政策/日独比較」である。ある出版社の編集者が学会報告を聴講し、その後も連絡を取り合っていることも特記事項である。本科研の知見は、今後の展開も見越して貴重な糧となったと考える。
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Research Products
(6 results)