2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the basis for settings accounting standards for derecognition of financial assets
Project/Area Number |
21K01798
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
威知 謙豪 中部大学, 経営情報学部, 准教授 (00517295)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 金融資産 / 認識中止 / 認識の中止 / 消滅の認識 / 証券化 / 流動化 / 財務構成要素アプローチ / リスク・経済価値アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、今後、わが国会計基準設定主体や会計情報利用者・作成者が、金融資産の認識中止に関する会計基準の再検討を必要とした際の「拠り所」の1つとなることを目的として,「金融資産の認識中止に関する各会計基準の設定根拠」と「相違が生じることとなった原因」について、長期的・横断的な観点から検討している。 本年度(最終年度)の研究成果として、威知謙豪.2023a「英国会計基準における資産の認識中止に関する会計基準―「リスク・経済価値」規準と「結合表示」の導入根拠― 」『経営情報学部論集』(中部大学)37(1-2): 35-58と,威知謙豪.2023b.『金融資産の認識中止に関する会計基準―設定根拠と変化の経路―』(単著),同文館出版,(2023年8月)を公刊した。 威知(2023a)は、英国会計基準委員会および英国会計基準審議会は,(1)資産の認識の要件を基に,リスクと経済価値の移転を資産の認識中止の基礎となる考え方として提案ないし採用したこと,(2)結合表示は,証券化取引を念頭に置いて,資産の譲渡取引が認識中止を満たさない場合であっても一定の要件を満たす場合には,譲渡した資産から受け入れた負債(対価)を控除して表記するという妥協案であること,を指摘した。 威知(2023b)は,これまでの研究成果の集大成として位置づけられる研究成果であり,米国会計基準,英国会計基準,国際財務報告基準およびわが国会計基準を対象として,1980年代後半から現在に至る金融資産の認識中止に関する基準設定をめぐる検討内容を整理し,その設定根拠と変化の経路について考察した。終章の第15章では,金融資産の認識中止に関する会計基準の基礎となる考え方と,金融資産の一部分の譲渡に関する制限の有無という2つの観点から,討議資料,公開草案,基準書を類型化し,1980年代後半から2023年3月までに生じた変化の経路を特定した。
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Research Products
(3 results)