職業構造の変化と男女間賃金格差の実証研究

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K01893
• Research Institution: Ritsumeikan University
• Principal Investigator: 高松 里江 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20706915)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 性別職域分離 / 職業構造 / ジェンダー / 労働 / 職業 / 就業構造基本調査

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は，1990年代以降に女性就業者数が増加した職業の特徴，および，それらと男女間賃金格差との関連を明らかにすることである．日本では，1990年代以降に男女の賃金格差が縮小している．その理由として職業構造の変化が挙げられるが，これまで日本では十分に検討されてこなかった．本研究では，公的統計「就業構造基本調査」を用いて、職業構造の変化と男女間賃金格差の分析を行う．その分析にあたり，「就業構造基本調査」を用いる．また研究段階を，①統計データの整理，②職業の女性比率の変化の基礎分析，③職業の
女性比率の変化と賃金の関連の分析の3つに分け研究を遂行する．④また，並行して職業構造を把握するためのインターネット調査を実施する．
当該年度は初年度にあたり，①統計データの整理をおこなった．具体的には，「就業構造基本調査」を利用可能なデータに整理するための作業を行った．まずは，就業構造基本調査を匿名データとして利用申請（有償）した．現在，1992年，1997年，2002年，2007年のデータが公開されており、これらの利用申請を行った．利用申請には時間を要すことが知られており，本研究でも地道な申請手続きをおこなった．また，前述の④職業構造を把握するためのインターネット調査を実施した．職業および労働環境についてのアンケートを作成し，実施した．
以上のように，当該年度は，就業構造基本調査のデータ申請と，インターネット調査を実施した．

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当該年度は初年度にあたり，統計データの整理をおこなった．利用申請には時間を要すことが知られており，本研究でも地道な申請手続きをおこなった．まだデータ利用は可能になっておらず，2022年度に利用可能になる見込みである．また，前述の④職業構造を把握するためのインターネット調査を実施した．職業および労働環境についてのアンケートを作成し，実施した．こちらは問題なく調査を終えた．

Strategy for Future Research Activity

2022年度も引き続き，データの整理を行い，研究計画の②職業の女性比率の変化の基礎分析をおこなう．また，インターネット調査により得たデータの分析を行い，研究を進める．

Causes of Carryover

統計データの利用申請中であり，データ整理のための委託費が発生しなかったため．次年度にデータ整理のための委託をおこなう．