2021 Fiscal Year Research-status Report
ディスレクシアにおける大細胞障害理論の検討:フリッカ順応によるフィルタ効果の解明
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21K02401
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Research Institution | The University of Shimane Junior College |
Principal Investigator |
菊野 雄一郎 島根県立大学短期大学部, 保育学科, 准教授 (10754723)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ディスレクシア / 大細胞系 / フィルタ効果 / フリッカ順応 / 視覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
ディスレクシアは約4.5%存在すると言われ(文部科学省, 2012)、その疾病機序の解明と 支援方法の開発は国内外において喫緊の課題である。そこで本研究では以下の課題に取り組む。第1は、大細胞系視知覚を改善すると仮定されるフィルタ効果(緑フィルタによるディスレクシアの促進効果)を検証し、既存のディスレクシア支援方法の妥当性について明らかにすることである(目的1)。第2は、フリッカ順応によるディスレクシア状態の健常者とディスレクシアの読字パフォーマンス(読字の速さ、正確性、視線パターン)及び大細胞系視知覚課題(コヒーレントモーション課題による運動視)パフォーマンスの一致性からディスレクシアの神経生物学的基盤を明らかにすることである(目的2)。初年度では本研究目的1のカラーフィルタの読字パフォーマンスに対する効果に関する研究のパイロット実験を行う予定であった。実験ではフィルタ効果以外にも文字の読み取りを促進する条件として、文章の主部と述部の理解を促進する主部/述部条件、文章の重要な部分の理解を促進する付属語/自立語条件、文字の弁別を促進する条件を加え実験準備を整えた。しかし、初年度ではCOVID-19の影響で当初予定していた実験協力校における対面実験の実施が中止となったため、令和4年度より感染状況を考慮しながら対面実験を実施(困難な場合は実験課題をオンライン化する等も検討)する予定である。研究成果として、本研究アプローチ関連概説を論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度では、実験準備は整ったもののデータ収集を予定していた実験協力校のCOVID-19対策方針により対面実験が中止となった。そのため、実験が当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もCOVID-19による対面実験実施中止の可能性が想定されるため、実験のオンライン化等も視野にいれて実験デザインの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響による実験参加者リクルート難航及び国内外の学会がオンライン発表となったこと等が主な要因である。学会がハイブリッド型等になりつつあるため、今後は旅費の発生が予想される。また、感染症の状況によって人件費・謝礼の支出が予想される。
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Research Products
(8 results)