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2023 Fiscal Year Research-status Report

多文化・多民族化社会における倫理観・法的課題解決力の育成に関するカリキュラム開発

Research Project

Project/Area Number 21K02439
Research InstitutionKagawa University

Principal Investigator

鈴木 正行  香川大学, 教育学部, 教授 (90758856)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords法的課題解決力 / STEAM教育 / SDGs / 倫理的観点 / 公共空間
Outline of Annual Research Achievements

社会科は,倫理的観点などから各教科・領域の学びを繋ぎ総合する上で核となる教科である。現在,AIなどの高度情報技術と経済発展をめぐる国際競争が激化するなか,理系統合型のSTEM教育が注目されている。しかし,現代社会の複雑で多様な問題に対処するには,理系の専門知識だけでは困難である。社会科には,STEM分野の活用の有用性を示すだけでなく,その問題の存在も指摘することにより,真の意味で人間の尊厳とWell-beingの実現に資する重要な役割がある。例えば,トランスサイエンスな問題など複雑で解決困難な社会問題に対しては,社会科に関わる法律・倫理・市民生活などの観点からSTEAM教育を捉え直し,専門家・市民・行政・企業の枠を越えた「公共空間」で問題解決を図る教育的基盤を育成することが求められる。そこで,日本教科内容学会大会において,「社会科の教科内容から観た教科間の関係とSTEAM教育への示唆」と題し,社会科と他教科との関係性について報告した。また,日本社会科教育学会全国研究大会では,「STEAM教育における社会科の在り方に関する一考察―教材の問い直しを通して―」と題し,STEAM教育の観点による社会科教材の問い直しの必要性について発表した。さらに,日本弁護士会主催法教育セミナーにおいて「法的課題解決力の育成を目指す中学校社会科公民学習」と題し,外国籍生徒高校入試特別枠制度(アファーマティブアクション)を題材とした中学校社会科公民的分野の開発単元「日本社会の変化と多文化共生」の授業実践について報告した。
以上のほかに,社会問題の発見及び解決力の育成に資する中学校社会科公民学習の授業の提案として,共著論文「ケイパビリティの視点からヤングケアラー問題に迫る中学校公民学習の授業開発―「誰一人取り残さない」社会に向けて―」『香川大学教育実践総合研究』(第48号)を執筆・刊行した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

コロナ禍の影響で,科学研究費助成金基盤(C)によって助成を受けて取り組んでいた前研究(課題「多文化・多民族化の進展下における職業倫理形成に向けた総合的カリキュラム開発研究」)について,フィールドワークや関係機関などへの取材が滞り,2年間の延長をせざるを得なくなった。前研究課題の研究成果報告書については,当初の計画より2年遅れの2023年2月に刊行し,図書館,学校などの関係機関に配布することができた。しかし,2年間の延長の影響で,並行して進めていた本研究についても,進捗状況に遅れが生じた。
現在,障害のある生徒の高校入試不合格処分取消訴訟及び特殊学級入級処分取消訴訟を組み合わせて実施した法的課題解決力の育成を目指す授業の分析と,自動運転車の事故の法的責任を問う中学校公民的分野の授業開発を進めている。後者については,法律の専門家である弁護士等に連絡し,協力を要請する予定である。

Strategy for Future Research Activity

これまでに行った授業実践の分析を進めるとともに,さらに法的課題解決力や倫理観を育成する授業開発を行っていく。その際,STEAM教育の観点からも学際的な題材を取り上げ,現代社会の課題に応えられるような授業開発を行いたい。
労働問題,消費トラブル,差別,人権侵害など,社会生活の中で起こることが予想される様々な問題のリストアップと,それに対応するための具体的な法律や解決方法について,今後調査を進めていく予定である。また,授業開発にあたっては,弁護士などの専門家の協力を得て協働して行うことにより,実効性のあるカリキュラム・授業実践となるようにしていきたい。

Causes of Carryover

弁護士などの専門家に協力を仰ぐ機会がなかったため,謝礼などの発生がなかった。また。機器の購入が当初の予定よりも少なかったことや,報告書の作成のための印刷刊行費・資料送付費などの支出がなかったことにより,次年度使用額が発生した。今後,関係図書の購入,学会での報告,専門家との協働,副読本・資料・報告書の刊行・作成などに向けて事業を進める上で,助成金を有効に活用したい。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] ケイパビリティの視点からヤングケアラー問題に迫る中学校公民学習の授業開発―「誰一人取り残さない」社会に向けて―2024

    • Author(s)
      藤本雅也,鈴木正行
    • Journal Title

      香川大学教育実践総合研究

      Volume: 48 Pages: 1-14

    • Open Access
  • [Presentation] 社会科の教科内容から観た教科間の関係とSTEAM教育への示唆2023

    • Author(s)
      鈴木正行
    • Organizer
      日本教科内容学会
  • [Presentation] STEAM教育における社会科の在り方に関する一考察―教材の問い直しを通して―2023

    • Author(s)
      鈴木正行
    • Organizer
      日本社会科教育学会
  • [Presentation] 社会科歴史教育における「力強い学問の知」に関する一考察―歴史研究と教材開発をめぐって―2023

    • Author(s)
      鈴木正行
    • Organizer
      全国社会科教育学会
  • [Presentation] 報告:法的課題解決力の育成を目指す中学校社会科公民学習2023

    • Author(s)
      鈴木正行
    • Organizer
      日本弁護士会法教育セミナー

URL: 

Published: 2024-12-25  

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