2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on the practice of "thinking and deliberating" moral lessons in collaboration with local communities and schools
Project/Area Number |
21K02532
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Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
藤澤 文 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (40633623)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 「考え,議論する」道徳 / 中学生 / 特別支援学級 / 一般成人 / 教師 / 教員研修 / システム思考 / 地域,学校と連携した道徳教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
この度の学習指導要領の改訂にあたり,どうしたら「考え,議論する」道徳授業を実践できるかがさまざまな立場から検討され,考えたり,議論したりすることのできる道徳教材の開発が行われている。しかし,この新しい教材を作成するだけでは従来の道徳授業(心情の読み取りが多い)とは異なる,考えたり議論したりすることを活性化させる道徳授業の実践へと急に移行することは難しいと思われる。そこで,本研究では「考え,議論する」道徳授業の実践に向けて,教育実践(学校),教員養成(大学),教員研修(大学),地域が一体となって取り組む協同モデルの提案を行っている。 その上で,具体的には,道徳授業に関して,教育実践,教員養成,教員研修を対象として,下記の4つの研究を実施している。研究1として,教師・子どもを対象とした授業観察を行い,子どもたちが考えたり,議論したりすることができるような授業の進め方,発問の仕方を探っている。研究2として,教師が「考え,議論する」道徳授業を実施できるような教員研修を企画し,効果測定を行い,改善を目指している。研究3として,教職科目『道徳の指導法』の改善を行うために,いくつかの授業方法を比較検討している。研究4として,地域住民および教師を対象とした道徳授業に関する意識調査を行い,道徳授業の改善を目指している。このようにして「考え,議論する」道徳授業の実施について実証的かつ包括的に検討することにより,子どもたちに考えさせたり議論させたりすることの経験の少ない教師が「考え,議論する」道徳授業の実践に至れることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では以下に述べる4つの研究を実施している。第一に,道徳授業に関して,教師・子どもを対象とした授業観察(研究1),教員研修の改善研究(研究2),教職科目の改善研究(研究3),地域住民および教師を対象としの道徳授業意識調査(研究4)の4つを実施した。研究1に関して,COVID-19が収まっている時期を中心に,小・中学校および特別支援学級の授業を参観した。研究2に関して,過去の教員研修を改善し,教員免許状更新講習の準備を行ったが,COVID-19の影響により,中止となった。研究3に関して,教職学生を対象として,オンラインを活用した講義を実施し,効果測定を行った(本来は対面により実験講義を予定していたが,COVID-19の影響により,オンライン実施となった)。研究4に関して,首都圏の一般成人および教師を対象として,道徳授業に関する調査を実施した。研究1,研究3,研究4に関して論文や報告書を執筆した。また,道徳教育に関連する辞典,書籍の執筆をし,社会への結果の還元に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1に関して,COVID-19が収まっている時期を中心に,小・中学校および特別支援学級の授業を参観を継続する。加えて,マレーシアにおいて道徳授業観察を行う計画を立てている。研究2に関して,教員研修を開催し,結果を踏まえ,改善を行う。研究3に関して,教職学生を対象として,オンラインを活用した昨年度とは異なる条件の講義を実施し,効果測定を行う。研究4に関して,首都圏の一般成人および教師を対象とした調査の結果について分析を行う。研究1,研究3,研究4に関して論文や報告書を執筆する。研究3に関して,国際学会から執筆依頼があり,書籍を出版予定となっている。その刊行物の出版に際して,同国際学会からシンポジウムに招待をされており,プレゼンテーションを行う予定である。また,国内においても道徳教育に関連する辞典,書籍の刊行予定があり、知見の社会還元に努める。
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Causes of Carryover |
2021年度にはCOVID-19の影響により延期された実験や中止された学会参加などがあった。そのため、次年度に繰り越される金額が多くなった。しかし、2022年度は実験も可能になり、学会も通常通りの開催になるものも増えるため、これらに費用を割り当てる予定である。
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Research Products
(1 results)