2023 Fiscal Year Research-status Report
大学発インキュベーションと伝統産業の活性化ー大学のカタリスト機能の調査研究
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21K02636
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
薄上 二郎 青山学院大学, 経営学部, 教授 (00289985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 清 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (50239399)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 非代替性トークン(NFT) / 伝統産業 / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題に関連した実態調査や文献調査を行い、学会発表と論文発表を行った。代表者である薄上二郎は、デジタル化に注目し、非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Tokens)を活用した取り組みについて調査を行った。NFT は画像をコピーされないという特徴をもつ。この活用を地域ブランド戦略と捉え、SWOT 分析を行った。 第1の機会は、NFT アートは、補助金が活用できることである。第 2 は NFT という技術インフラの整備が進んだことが追い風となっている。画像をコピーされないという技術、デジタルアートの販売の代金をデジタル通貨で処理する技術など、技術インフラ整備が進みプラスに作用している。一方、第1の脅威は、代金決済というインフラが整備段階にあることである。デジタル通貨を利用する不安などのリスク要因がある。第 2 は題材とそれぞれの風景、特産品の権利関係が曖昧になりがちな点である。誰でも素材を利用可能であるため、知的財産上のリスクがある。第3は、導入数が増えて、長期的魅力を維持できるのかという懸念がある。 強みは何か。第 1 には素材が豊富な点である。地域の風景、四季、観光・歴史資源、人物など活用できる。第2に、ステークホルダーとの関係性において大学、会社、画像を提供するアーティスト、アートの購入者はオンライン空間で仕事を進めやすい。第 3 は、同じくオンラインのため、店舗やオフィスの確保・費用を抑えることができる。反対に、弱みは何か。NFTは新技術のため、組織内に専門人材がいない。外部の専門家との連携関係が必要があるということが分かった。 共同研究者の宮下は、大学と地域連携に注目し、地方の大学がどのような取り組みを行っているのか調査を行った。連携には、地域連携に対する理解や推進のためのリーダシップの重要性、大学と地域をつなぐ中間組織、コーディネータの重要性をあげた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響がまだ見られた。オンラインインタビューでの調査は可能であったが、フィールドワークや、対面インタビューは実施が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
一年間延長し、引き続き研究課題に関連する文献調査、アンケート調査やインタビュー調査を行い、成果を学会発表や学術論文につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
アンケート調査やインタビュー調査ができなかったため。
2024年度にアンケート調査を実施予定である。具体的な使用計画としては、大学のインキュベーション施設に入居するスタートアップや、地方自治体に対してアンケート調査を実施し、統計処理を行う費用とする。
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