2021 Fiscal Year Research-status Report
Optimizing Depression Prevention Strategies in College Students Using Smart Phone Cognitive Behavioral Therapy
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21K03049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂田 昌嗣 京都大学, 医学研究科, 助教 (40593653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 直 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30632989)
堀越 勝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 特命部長 (60344850)
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / スマートフォン / うつ病予防 / 大学生 / ランダム化比較試験 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
開発されたスマートフォン認知行動療法(CBT)アプリ「レジトレ!」を用いて、5つの大学のの学生に対して完全要因ランダム化比較試験のリクルートを行った。2022年度内に合計1627名、うち急性期解析対象者1094名の対象者集積を達成したため、リクルートを終了した。全対象者が62通りのCBT要素の組み合わせのいずれかにランダムに割り付けられ、8週間の介入を受けた。2022年度内に全員が割付から8週後に急性期アウトカム取得時期に到達した。 急性期解析対象者のデータを用いて、最適なCBT要素およびその組み合わせを探索するべく、急性期の抑うつ低減をアウトカムとした解析を行った。アウトカムの抑うつ指標は第8週Patient Health Questionnaire(PHQ-9)であった。各CBT要素の完遂率はそれぞれセルフモニタリング91%、行動活性化84%、認知再構成法84%、アサーション83%、問題解決技法82%であった。急性期アウトカムPHQ-9の回答率は92%であった。 第8週PHQ-9はすべての群において抑うつ症状が軽減していた(標準平均差-0.65~-0.78)。しかしながら、各CBT要素の有無による有意な差は認められず、特定の有効要素およびその組み合わせを抽出することはできなかった。 一方で、CBTの要素最適化を目指した研究をデザインするうえで、①適切なコントロール条件を設定、②1つの要素を十分な時間で理解し、繰り返し練習するためのペース配分、③今後は異なる要素間でも連続性を持たせる必要性について示唆を得た。 この急性期解析の結果は、Evidence Based-Mental Health(IF = 8.5)に投稿し、2022年3月に受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
5つの大学の共同研究者から協力を得てたこと、また、複数の広報媒体により大学生がエントリーサイトにアクセスしやすい環境を作ったことにより、効率的なリクルート活動が行えた。そのため、当初2023年度までに対象者集積を終了する予定であったが、2022年度のうちに終了でき、急性期アウトカムの解析、第1論文の投稿と受理まで完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は集積した合計1627名の対象者を1年間追跡する。ランダム割付から1年後(52週後)に本研究の主要アウトカムであるうつ病発症(世界保健機関複合国際診断面接法:CIDIのオンライン版)の取得取得する。事務局より個別連絡と謝礼の送付により、80%の達成を目指す。 全参加者のアウトカム取得期間が終了後、データを精査し、うつ病発症予防に効果的な認知行動療法の要素とその組み合わせを導き出す。生存時間分析(Kaplan-Meier survival analysis)により各要素の有無によるうつ病発症率をを比較する。比例ハザード性の仮定が満たされれば、Cox比例ハザードモデルにより、ベースライン特性の生存時間への影響を探索的に検討する。 また、急性期アウトカム、1年後アウトカムの両者ついて、対象者のベースライン特性を用いてた予測因子と効果修飾因子各要素の探索的解析を行う。また、各介入のアドヒアランスを予測する因子も探索的に解析する。 こららの解析から得られた結果を、英文学術雑誌に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は、コロナ禍の継続により、出張や学会発表の機会がなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度に研究成果を国内外で公開のために使用予定である。
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Research Products
(3 results)