2022 Fiscal Year Research-status Report
インターネット嗜癖傾向における注意バイアスの増強要因に関する実験臨床心理学的研究
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21K03066
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
津村 秀樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (70636836)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インターネット嗜癖 / ストレス / コルチゾール |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネット嗜癖において一定期間持続したストレス反応が高いという仮説を検証するための実験を実施した。昨年度は、予備実験を実施し、研究手続きを確定したため、今年度は研究者の所属機関で大学生を対象として、実験参加者募集を行い、実験を実施し、データ収集を行った。実験では、一定期間の生理的ストレス反応を測定するため、毛髪、爪中のコルチゾールを測定するために、毛髪、爪を採取した。毛髪は1か月に1cm程度伸びることから、1cmの毛髪中に含まれるコルチゾールは、約1か月間のコルチゾール分泌量を反映すると考えられている。また、インターネット嗜癖は自己評価式質問紙のIAT(Internet Addiction Test)を用いて、インターネット嗜癖の程度を測定した。その他、性別、ストレス反応等を自己評価式質問紙で測定した。必要なサンプルサイズを確保したため、データ収集を終了とした。データ収集の終了後、毛髪、爪中のコルチゾール値を測定した。具体的には、毛髪、爪を粉砕し、メタノールで抽出し、コルチゾール値の定量用のキットでコルチゾール値を測定した。質問紙の回答は、データ入力を行い、必要な指標を算出した。その後、毛髪、爪中のコルチゾール値とIAT得点との関連を統計的に分析した。その結果、コルチゾールはインターネット嗜癖傾向の強さと関連することが明らかになった。以上のように、今年度は本研究の結果を学会や学術雑誌で公表するための準備を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の実験の一つについて、データ収集、統計解析まで完了し、学会発表や論文として発表するための準備を整えることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今年度データ収集を実施した研究の結果を論文としてまとめ、学会や学術雑誌で公表するための準備を行う予定である。加えて、本研究課題の第二の課題の手続きを確定し、データ収集を開始する予定である。具体的には、ポジティブ感情、およびポジティブ刺激への注意バイアスとインターネット嗜癖の関連性を明らかにするため、予備実験、実験手続きの決定、実験課題の作成、研究倫理申請等を行って、実験を実施する準備を整え、実験参加者募集を行って、データ収集を開始する。実験の完了後、データ解析、結果のとりまとめ、学会、論文等での公表へと進める予定である。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、予定していた実験を実施し、実験参加者謝金、コルチゾール値の分析等、実験の実施に必要な費用を使用したが、令和4年度は実験結果を発表する機会がなかったため、予定していた学会参加費、旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。令和5年度は、研究の結果を発表するために、学会参加費、旅費、英文校正、論文の掲載費等として費用を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)