2024 Fiscal Year Research-status Report
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21K03254
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| Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
豊田 哲 工学院大学, 教育推進機構, 教授 (50599701)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | CAT(0)空間 / 距離空間 / 非正曲率性 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, CAT(0)空間と呼ばれる非正曲率性を持つ距離空間において常に成立する距離の二乗に関する斉次線形不等式(以下、「CAT(0)二次距離不等式」と呼ぶ)を特徴づけることを目標に研究を進めてきた. CAT(0)二次距離不等式の全貌を捉えることを念頭に, Andoni, Naor, Neimanの3人の数学者は, これまで使用された全てのCAT(0)二次距離不等式を含むようなCAT(0)二次距離不等式の族を書き下しており,「彼らの不等式族がCAT(0)二次距離不等式の全貌を捉えているか?」すなわち,「全てのCAT(0)二次距離不等式が彼らの不等式族から従うか?」というのが自然な問いとなっていた. 報告者は, 2023年度までの研究において, 「Lebedevaの6点距離空間」と呼ばれる距離空間が, いかなるCAT(0)空間にも距離を保って埋め込めないことが知られているにも関わらず, 上記のAndoni-Naor-Neimanの不等式族の不等式を全て満たすことを証明していた. この結果は, 上記の自然な問いに対する否定的な答えを導くものである. 2024年度, 報告者は, まず, この内容を論文として執筆し, 公表した(arXiv:2404.13871). この研究成果を得たことにより, 上記の「Lebedevaの6点距離空間」上で成り立たないようなCAT(0)二次距離不等式を発見することが, 本研究における次の自然な課題となった. 2024年度中に, 報告者は, そのような不等式族の一つを発見し, 論文としてまとめた. この論文は同年度中に学術誌に掲載決定した. ここで報告者が発見した不等式族は, 「重み付き4点不等式」と呼ばれる基本的なCAT(0)二次距離不等式から従わないことが証明された最初のCAT(0)二次距離不等式の例にもなっている.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標を完全に達成できたわけではないが, いわゆる「重み付き4点不等式」と呼ばれる基本的なCAT(0)二次距離不等式から従わないCAT(0)二次距離不等式を発見するという, 当初からの重要な目標の一つを2024年度中に達成できたことは, 本研究がおおむね順調に進展していることを意味するものと捉えている.
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| Strategy for Future Research Activity |
2024年度までの研究において, これまで明示的には発見されていなかった 「重み付き4点不等式から従わないCAT(0)二次距離不等式」を発見したことにより, 本研究は, 新たな段階に進んでいくと考えている. 本研究課題における最も自然な次の課題は, CAT(0)空間へ距離を保って埋め込み可能な6点距離空間を特徴づけることであり, 現段階においては, そこに向けた複数の方針を想定している. 2025年度は, まずは, この課題に向けたそれらの方針を順番に検証していきたいと考えている. また, この課題の他にも, 今後, 本研究はいろいろな方面に向けた進展が考えられる. 本研究の最終年度でもある2025年度は, 2024年度までに得られた本研究の成果を発信していくと同時に, 研究集会への参加や他の研究者との議論を通じて, 積極的な情報収集を行い, 本研究のさらなる進展に向けて今後の研究を進めていく方向を明確に打ち出したい.
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| Causes of Carryover |
予定していた出張のいくつかが実施できなかったため, 次年度使用額が生じている. 2025年度7月に米国で開催される研究集会への出張を予定しているので, そのための出張旅費として使用したいと考えている.
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