2022 Fiscal Year Research-status Report
Existence and persistence of historic wandering domains for high-dimensional dynamical systems
Project/Area Number |
21K03332
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
桐木 紳 東海大学, 理学部, 教授 (50277232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 輝彦 早稲田大学, 産業経営研究所, その他(招聘研究員) (50154688)
中野 雄史 東海大学, 理学部, 准教授 (50778313)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ブレンダー馬蹄 / ヒストリック挙動 / ディラック物理測度 / ホモクリニック接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、3次元アフィン写像でブレンダー馬蹄をもち、さらにそのブレンダー馬蹄のサ ドル周期点に関するホモクリニック接触をおこすような例を考える。その例の任意に小さなCr近傍において本研究課題で着目している性質であるヒストリック挙動やディ ラック物理測度を有することを調査し、証明することに成功した。この成果を国際研究集会の招待講演と国内 の研究集会にて一般講演をおこなった。 さらにこの論文を国際ジャーナルに投稿し、査読結果が返ってきた。いくつかの修正要求があったが肯定的なものであった。そこでレフェリーの修正要求に応えた修正版を提出した。 この研究の内容を説明する。ブレンダーとは3次元以上の力学系の概念である。具体的には双曲的不変集合なのだが、その不変集合の不変多様体がある開領域で稠密になる。例えば2次元の馬蹄は不変集合だが、このような性質はもたない。一方、この馬蹄を含む2次元空間とは独立に1次元考え、その方向に弱い作用をもつような3次元写像を考えれば3次元馬蹄が得られる。さらにこの付け加えた次元方向に僅かな歪みを与えるとブレンダーの特性である「不変多様体がある開領域で稠密に埋め尽くす」現象が起こる。この性質自体、微小な摂動に耐えうるロバストな性質であるから、3次元以上の力学系では一般的なものである。 このブレンダー馬蹄は、2次元馬蹄と同様それだけではヒストリック挙動やディラック物理測度などの多様な性質はもっていない。それが双曲性力学系の限界だと考えられている。一方、この双曲性という枠組みを超えていけば、多様な性質が発生すると我々は考えている。そこで、このブレンダー馬蹄を保ったまま、そのサドル周期点に関するホモクリニック接触を起こすような写像を考える。ホモクリニック接触をもてば非双曲的になり、その非双曲性を活かすところが本研究の独自性である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記述したarXivに公開した論文を投稿した。それに対してレフェリーたちから修正要求があったので修正した原稿を提出した。現在、その審査待ちである。またこの結果に留まらずこれら諸性質を含む新たな概念「力学的多能性」または「統計的普遍性」を提唱し、新たな研究分野の創設することが本研究の最終的目標である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず研究実績の概要で記述したarXivに公開した論文をジャーナルから出版することが優先である。さらに海外から新たな共同研究者を加え、研究実績の概要で 記述した例をより一般的なクラスに拡張したいと考えている。 本研究はブラジルのEdson Vargas氏が2000年に発表した論文が発端となっている。2022年9月から2023年3月までそのVargas氏を招聘研究者として東海大学に招いて共同研究を行った。そこで今年度は私がブラジルに渡航し、Vargas氏と共同研究を完成させる予定である。またフランスのSylvain Crovisier氏 も加わることになった。
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Causes of Carryover |
海外出張を予定していたがコロナ感染症の影響によって取りやめとなった。
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Research Products
(3 results)