2021 Fiscal Year Research-status Report
多目的線量体積制約に基づく動的強度変調放射線治療計画法の開発
Project/Area Number |
21K04080
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉永 哲哉 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40220694)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 強度変調放射線治療 / 最適化問題 / 微分方程式 / 非線形問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
強度変調放射線治療 (IMRT) 計画を実現する原理は,照射ビーム係数に関する評価関数の最適化問題に帰着される.本研究代表者は,先行研究において,線量体積制約および平均線量制約を満たす状況を表す acceptable の概念をこの分野で新しく導入し,acceptable な反復解への収束が理論的に保証された独自の IMRT 計画法を考案した.さらに,すべての線量制約が acceptable とは限らない精度の高い治療計画が要求される困難な問題に対し,必ず満たすべき制約条件と可能な限り制約に近づけたい条件に分離して最適化問題を定式化し,解決法の開発に成功した.ただし,可能な限り近づけたい条件を複数に与えると,より高精度な治療計画を効率的に実現できるが,現方法では解決できない.この困難な問題に対し,線量制約を未知数として問題を定式化する新しい理論の構築可能性を想起した.本研究課題の達成により,腫瘍組織には高い線量を正確に照射し,正常組織にはより少ない線量に抑える設計の枠組み構築が可能となり,患者への治療効果を高めると同時に副作用を軽減できる画期的な治療計画を実現できる. 令和3年度は,提案系の解析を理論および数値実験の両面から実施した.まず,必須の部分的線量体積制約等を満足させると同時に,優先度が相対的に低い残りの線量体積制約等に係る複数の評価関数を最小化させる問題設定に対し,線量制約を未知数とした最適化問題を数学的に定式化した.次に,部分的に acceptable な IMRT 計画に対応した平衡点の安定性をリアプノフ定理により証明した.さらに,具体的な臨床例から導出された系を対象として数値実験を実施し,平衡点集合の存在領域を解析した.理論と実験を通して,研究の目的を達成できる見通しが明確となった.線量体積制約だけでなく平均線量に基づく制約も加えた評価関数への拡張にも成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の評価関数を最小化させる最適化問題として数学的に定式化した提案法のハイブリッド力学系を理論および数値実験を通して解析した.まず,部分的に acceptable な IMRT 計画に対応した平衡点の安定性をリアプノフ定理により証明した.次に,具体的な臨床例から導出された系を対象として数値実験を実施し,平衡点集合の存在する領域を明らかにした.以上,研究計画通りの結果が得られたことに加えて,線量体積制約だけでなく平均線量に基づく制約も評価関数に含めることが可能となり,提案法を拡張する成果が得られたことから自己評価を判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に沿って研究を推進する.具体的には,まず,演算の高速化を実現するために提案系の離散化を行う.次に,開発した原理に基づくプログラムを3次元画像へ対応させる.最後に,臨床設定を想定した数値実験を行う.IMRT 計画法を内外の研究者や医療関係者に報告し,評価関数の収束性,線量分布図,線量体積ヒストグラムに基づき性能を評価する.
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Causes of Carryover |
物品が3月に納品され,4月に支払いとなったため.
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Research Products
(2 results)