2023 Fiscal Year Annual Research Report
AIと数値シミュレーションを統合した塩害環境予測技術の開発
Project/Area Number |
21K04335
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
崎原 康平 琉球大学, 工学部, 准教授 (20647242)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 塩害 / 飛来塩分 / 機械学習 / 数値解析 / 耐久設計 / 維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域の環境作用(風速,波浪,離岸距離など)を考慮した鉄筋コンクリート構造物の塩害環境評価法を確立することは,合理的な塩害対策や維持管理を行う上で極めて重要である。しかし,海岸付近で発生する飛来塩分は様々な環境作用が複雑に関係しており,環境作用と飛来塩分の関係は必ずしも明確ではない。また,鉄筋コンクリート構造物において,各部材の付着塩分は,構造物の形状・寸法や位置等により,部材毎に異なることが知られている。さらに,2022年11月に日本建築学会発行の「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事 2022」では,部材毎に劣化環境区分が定められている。このことから,部材毎に環境外力や劣化速度を詳細かつ定量的に把握する重要性は,今後さらに高まることが予想される。 以上の背景から,本研究では,以下の2項目について検討を行った。1つ目の検討では,沖縄および複数地域で観測されたデータと公開されている気象・波浪等の各種情報から,複数の機械学習を用いて海岸付近で発生する飛来塩分の予測を行った。その結果,機械学習による予測値は実測値の傾向を概ね捉えることができることを確認した。さらに最寄りの気象観測所の風況データに代わり,数値シミュレーションで求めた気象・波浪データを機械学習の学習データに用いることで,予測精度を向上させることができた。2つ目の検討では,海岸付近の鉄筋コンクリート構造物における柱や梁などの各部材の雨掛かりの影響について感水紙試験による検討を行い,雨掛かりを考慮した各部材面における付着塩分の定式化を試みた。さらに,飛来塩分の拡散・付着解析を実施し暴露試験結果と比較・検討をおこなった。その結果,柱の付着塩分は方向によって若干ばらつきがあるものの,雨掛かりを考慮することで実測値との誤差を小さくすることができた。
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Research Products
(5 results)