2023 Fiscal Year Annual Research Report
高密度ウルトラファインバブル内包コアセルベートによる新規バイオ材料創成
Project/Area Number |
21K04752
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
五島 崇 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (90709560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二井 晋 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (90262865)
武井 孝行 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (90468059)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サイクロン / ファインバブル / 複合コアセルベート / 核形成時間 / ガスカラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ファインバブル(FB)技術の高度利用法として生体適合材料のコアセルベート合成に注目し、低粘度液を用いて気泡径や気泡密度、FBの溶解収縮過程および凝集過程を制御することで、FB由来の固有な界面特性や構造特性を有する材料創成技術の開発に取り組んだ。 装置下部中央に多孔膜を設置した旋回気泡流発生部と出口管を有する旋回流式ミニチャネル装置を設計し、ゼラチンーアラビアゴム(G-A)系複合コアセルベートを選定した。事前検討として、ミニチャネルに0.25wt%低粘度G-A水溶液を約3.86L/minで供給し、析出開始剤HCl水溶液を追添してG-A系コアセルベートの核形成速度論解析を実施した。核形成時間は6msであり、35msまでは核形成過程が支配的となるが、35ms以降はコアセルベート粒子の凝集成長過程が支配的となった。 G-A水溶液を旋回流式ミニチャネル装置に導入し、流路長手方向に対して液旋回強度の変化およびFB群の動態を実験的かつ数値的に解析した。多孔膜側面で発生したFB群を含む旋回液の液旋回強度は徐々に増加し、多孔膜上部空間に達すると液旋回強度は極短時間で急増して流路中央にFB群が凝集したガスカラムが形成された。その後液旋回強度は指数関数的に減少し、出口管に流入すると急激な流路縮小により系圧の急低下とガスカラムの伸長変形が生じてガスカラムが崩壊した。 以上の流動解析結果を踏まえFB凝集過程と核形成過程を制御したFB内包構造体の形成法を見出した。多孔膜にCO2を供給してFB周囲の局所pH低下と気泡微細化を促進し、多孔膜下部にHCl水溶液を追添すると平均径29μmのFBを高密度に内包した幅数百μm程度の高次繊維状コアセルベートが形成され、一方で出口管下端にHCl水溶液を追添すると平均径5.8μm、CV値26.3%と微細かつ単分散性が高い中空粒子状コアセルベートが形成された。
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