• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

Isolation of yeasts from Drosophila and future expansion of industrial applications

Research Project

Project/Area Number 21K05342
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

清家 泰介  大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80760842)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords野生酵母 / ショウジョウバエ / 多様性 / 進化 / 産業利用
Outline of Annual Research Achievements

酵母を用いた有用物質生産においては、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeといったモデル酵母に加えて、新しい機能を持った酵母の利用も期待されている。しかし、現状では野生酵母の情報が圧倒的に不足しており、産業への展開が遅れている。そこで本研究では、ショウジョウバエが腸管の袋状の器官クロップに微生物を蓄積する性質に注目し、ハエの体内から多様な野生酵母を単離して、その中から有用な酵母を発見することを目的とする。
本年度では、所属先である大阪大学を拠点として、大阪・東京・沖縄などの複数の場所からショウジョウバエを採集し、ハエの体内から酵母を分離を試みた。まずハエをすり潰した後、滅菌水に懸濁し、懸濁液を希釈して酵母培養用の標準的な培地であるYPD培地, YEA培地, PDA培地に撒いた。バクテリアの増殖を抑えるため、培地にはアンピシリンとクロラムフェニコールをそれぞれ100 microg/mLになるように加えた。数日培養すると、プレート上には予想通り多くの酵母が生えた。次に、コロニーの色や形態、顕微鏡観察などから別種と思われるものを分類した。単離したコロニーは、PCRによりリボソームDNAの26S Large Sub Unit (LSU)のD1/D2領域を増幅して、サンガーシーケンスで調べることで種を決定した。その結果、これまでに23属56種の酵母株を分離することに成功した。中には、いくつか新種と思われる酵母も含まれていた。
このように、移動性が高いショウジョウバエを利用して、野生酵母を一網打尽に集める手法は効果的であることが示唆された。今後はより多くのショウジョウバエを採集することによって、ハエの体内に含まれる酵母の単離と表現型の記述を行い、野生酵母の情報のリソース提供と産業への貢献を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本年度は、コロナウイルスの感染拡大防止のため、自らが赴いてショウジョウバエを採集することができなかった。そこで、所属先の大阪近辺で採集したものと、何人かの共同研究者と協力して採集したショウジョウバエ (主に東京と沖縄由来)のみを解析対象とした。ショウジョウバエの種類は少なかったものの、単離できた野生酵母は期待以上であり、最終的に56種の酵母株を分離することができた。表現型解析をしたところ、興味深いことに通常の酵母では致死となる44℃でも増殖が可能なものや、S. cerevisiaeが資化できないキシロースなどの炭素源を利用できるものが多く分離できた。特に、亜熱帯の沖縄では面白い特性を示す酵母が次々と発見され、本州よりも数倍近い種類の酵母が存在することも判った。ショウジョウバエの体内から多くの酵母種が単離できたこと、また面白い形質や新種酵母なども単離できたことから、当初の計画以上に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後はより広範な地域からショウジョウバエを採集し、さらに多くの野生酵母を発見したいと考えている。そのため、自ら遠征して採集を行う他、国内の研究者と協力して様々な地域のショウジョウバエを採集する予定である。ハエの体内に存在する酵母のメタ26S解析を行ったところ、地域ごとに酵母叢が明確に異なることが判った。また単離できた酵母種以外にも、検出できていない酵母が多く存在している可能性が分かったことから、来年度以降では、酵母を分離するための培地の検討や、ショウジョウバエの採集場所の変化による単離できる酵母種の違いを解析する必要がある。以上に加えて、実際に実験室のショウジョウバエに野生酵母を食べさせ、酵母の定着頻度や局在を観察したいと考えており、こうした研究から野生酵母の理解や昆虫や花との関係性についての理解が深まるものと期待している。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Elevated sporulation efficiency in fission yeast Schizosaccharomyces japonicus strains isolated from Drosophila.2021

    • Author(s)
      *Seike T, Sakata N, Matsuda F, Furusawa C
    • Journal Title

      J Fungi

      Volume: 7 Pages: 350

    • DOI

      10.3390/jof7050350

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] ショウジョウバエから分離された野生酵母の分類と多様性2022

    • Author(s)
      清家泰介, 武方宏樹, 阪田奈津枝, 小谷葉月, 古澤力, 松田史生
    • Organizer
      第16回日本ゲノム微生物学会年会
  • [Presentation] ショウジョウバエを利用した酵母の宝探し2021

    • Author(s)
      清家泰介
    • Organizer
      酵母研究若手の会第七回研究会
  • [Presentation] 分裂酵母のフェロモン多様性と配偶者選択に与える影響2021

    • Author(s)
      清家泰介
    • Organizer
      第23回酵母合同シンポジウム
    • Invited
  • [Presentation] ショウジョウバエからの野生酵母の単離と産業への展開2021

    • Author(s)
      清家泰介, 武方宏樹, 阪田奈津枝, 古澤力, 松田史生
    • Organizer
      第73回日本生物工学会大会
  • [Remarks] 第73回日本生物工学会大会トピックス

    • URL

      https://www.sbj.or.jp/2021/news/news_20211015-1.html

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi