2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the gonadotropin secretion promotion technique using the Tiger puffer pituitary spheroid culture
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21K05727
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 明彦 九州大学, 農学研究院, 助教 (10332842)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スフェロイド / 下垂体 / ゴナドトロピン / アロマターゼ / ニューロスフェアー |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類脳視床下部-下垂体-生殖腺(HPG)軸の研究の多くはシャーレ―で単層培養した下垂体細胞に生理活性物質を投与しホルモン合成や遺伝子活性を調査するというものであった。近年3次元構造としてin vitroで培養された細胞塊は、単層細胞に比べてより多くの生物学的特性をin vivoに近い状態で再現できるので組織の機能解析や薬剤スクリーニングの手法として用いられる。魚類の下垂体は哺乳動物とは異なり神経軸索が下垂体全領域の深部まで侵入して直接ホルモン活性を制御する。そこで最終年度は下垂体だけではなく脳神経についてもニューロスフェアー(神経細胞塊)の作製を検討し、下垂体スフェロイドとの共培養法の開発に着手した。トラフグ脳をCollagenase/Trypsinによって解離し、前年度までに開発した下垂体スフェロイドの作製法に準じてニューロスフェアーの作製条件を検討した。その結果トラフグ成魚・幼魚の終脳、間脳、視床下部などの各パーツから回転培養によって容易にニューロスフェアーが構築できることを確認した。ニューロスフェアーは3ヶ月以上培地で安定であり、平面培養に移すと同時にニューロンの軸索伸長を確認できた。すなわち下垂体スフェロイドとの共培養により下垂体ホルモン合成・分泌を制御するさまざまなニューロンをin vitroで同定し解析することが可能になる。これまでの研究によりトラフグ下垂体スフェロイドは生殖腺刺激ホルモン(FSH/LH)やプララクチン等のホルモン合成を長期にわたり維持できることが確認できている。今後これらの下垂体ホルモン合成・分泌を調節するニューロンとの共培養系を構築することにより、従来の下垂体スフェロイドのアッセイだけでは見つからなかった多くの制御システムの発見が期待できる。
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