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2021 Fiscal Year Research-status Report

Development of unexplored molecular transformations based on dearomative Diels-Alder reactions

Research Project

Project/Area Number 21K06466
Research InstitutionKobe Pharmaceutical University

Principal Investigator

沖津 貴志  神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (50441209)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
KeywordsDiels-Alder / 脱芳香族化 / アルキン / ナフタレン / チオフェン / タンデム反応
Outline of Annual Research Achievements

芳香環をジエンとして直接利用する脱芳香族的 Diels-Alder(以下DA)反応は、多環式化合物を合成する上で有力な手法となる。しかし、芳香環が有する高い芳香族安定化エネルギーを乗り越える脱芳香族的反応は一般的に難しいため、ジエンとして利用可能な芳香環や求ジエン体に使用できるアルキンは、高反応性のものに限られている。反応性が高くない芳香環(ナフタレンやチオフェンなど)をジエンとして直接用い、低反応性アルキンと分子内DA 反応を行った例に限ってはほとんど報告されておらず、収率の低さや基質適用例の少なさ、過酷な条件(高温高圧)を要する等のいずれかの課題が未解決となっており、系統的な研究は未だになされていない。私は、芳香環をDA反応のジエンとして直接利用する低反応性アルキンとの脱芳香族的 DA 反応を開発することを目的として研究に着手した。今回、芳香環とアルキンを強制的に近づけるような基質を設計・合成し、その分子内DA反応について評価・精査した。その結果、芳香環とアルキンを強制的に近づけるのに最適なリンカーを見出し、常圧下でも首尾よく進行する脱芳香族的 DA反応の実現に至った。本研究成果は、これまで難しいとされていた脱芳香族的DA反応を可能とした点に意義がある。現在、ナフタレンやチオフェンが本DA反応のジエンに適用可能な芳香環であることを確認している。本発見を端緒とし、DA反応に利用可能な芳香環の種類やリンカーが格段に増え、さらには多環式骨格を有する有用物質の合成に幅広く応用できるものと期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

芳香環と低反応性アルキンとのDA 反応の一般性解明を目指して鋭意検討し、以下3点について成果を上げた。
(1) ナフトールのジエンとして直接利用する脱芳香族的DA反応を開発した。しかし、DA前駆体であるナフトール類の合成が難しいため、基質適用範囲は限定的となった。
(2) ナフトールに代わる新たなジエンとして、ヒドロキシを保護したメトキシナフタレンをジエンとして直接利用する脱芳香族的DA反応を開発した。さらに反応条件を変えることで、後につづくタンデム反応(脱メチル化反応もしくは逆DA反応)の切り替えが可能であることも見出した。
(3) 低反応性芳香環チオフェンをジエンとして直接利用する脱芳香族的DA反応/脱硫反応のタンデム反応を開発した。本反応ではDA体から自発的に遊離した硫黄が副反応を引き起こすことが問題となったが、ホスフィン類を添加することで硫黄を効率的に捕捉できることを明らかにした(日本薬学会第142年会 26PO08-pm1-02S)。

Strategy for Future Research Activity

【現在までの進捗状況】で記載したとおり、メトキシナフタレンおよびチオフェンをジエンとするDA反応を開発済みであるが、反応例が各10例程度に留まっているため、更なる基質一般性について検討する。また、本反応を用いる有用物質の合成についても実施する予定である。

Causes of Carryover

2021年度に「ナフトール」をジエンとするDA反応を中心に開発予定であったが、そのDA前駆体の合成が難航し、基質一般性を示すデータを取ることが難しかったため、計画を変更し、よりDA前駆体の合成が容易な「メトキシナフタレン」をジエンとするDA反応の開発を行うことにしたため、未使用額が発生した。
このため、次年度は「メトキシナフタレン」をジエンとするDA反応を中心に研究を実施することにし、未使用額はその経費に充てることにしたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] チオフェンとアルキンとの分子内Diels-Alder反応2022

    • Author(s)
      沖津 貴志、大坪 瑤子、上村 ちあき、波多野 学
    • Organizer
      日本薬学会第142年会
  • [Remarks] 神戸薬科大学・生命有機化学研究室HP

    • URL

      https://www.kobepharma-u.ac.jp/ocls/

URL: 

Published: 2022-12-28  

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