2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanisms underlying lifestyle-related diseases and malignant tumors based on in vivo imaging of scavenger receptors
Project/Area Number |
21K06502
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
河嶋 秀和 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (70359438)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スカベンジャー受容体 / CD36受容体 / SPECT/CT / in vivoイメージング / 生活習慣病 / 悪性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体において、老廃物の除去に関わるスカベンジャー受容体(SR)機能の破綻はアテローム性動脈硬化症を始めとする種々の疾患の要因と考えられている。当該研究では、健常あるいは病的状態にあるマウスを用い、組織SR発現量を定量的に評価することで、関連疾患の診断・予防へと結び付けることを目的とした。最終年度である令和5年度は、SRを介して細胞内に取り込まれる酸化LDL(oxLDL)の放射性ヨウ素標識体をマウスに投与し、褐色脂肪組織(BAT)あるいは骨格筋における同プローブの集積を解析した。 oxLDLの細胞内取込みにSRの一種である膜糖タンパク質:CD36が関与している可能性を示した過去の報告に基づき、123I-oxLDLを無麻酔下でC57BL/6マウスに静脈内投与、10分後に灌流固定処置し、小動物用SPECT/CTにて全身撮像した。その結果、画像上で123I-oxLDLはBATへの高い集積を認め、これは123I-LDLと異なる分布であった。また、この集積はβ3アドレナリン受容体作動薬の前処置により増加したことから、交感神経刺激によるBAT活性化の影響が示された。さらに、CD36遺伝子欠損マウスを用いてSPECT/CT撮像を試みたところ、BATに対する123I-oxLDL集積は完全に消失した。 一方、125I-oxLDLを静脈内投与したC57BL/6マウス体内分布を精査した結果、静脈内投与後10分でその20%が骨格筋に移行していることが明らかとなった。さらに、単位重量あたりの放射能は速筋よりも遅筋で高く、CD36発現量との相関性が示唆された。 以上、期間中に得られたoxLDLの骨格筋取込みに係る知見に関しては継続して研究を進め、運動負荷や運動抑制の影響を調べることで生活習慣病や老年症候群(サルコペニア)の発症と老廃物除去機能の関連性の解明を目指す。
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