2021 Fiscal Year Research-status Report
コレシストキニン受容体CCK1Rの脳腸機能相関における伝達基盤解明
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21K06746
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今野 幸太郎 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20599641)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コレシストキニン |
Outline of Annual Research Achievements |
コレシストキニン(CCK)は上部小腸から分泌され、食後の胃酸、膵液、胆汁の分泌を制御する消化管ホルモンである。CCK受容体は末梢組織に豊富なCCK1Rと中枢神経系に豊富なCCK2Rが存在し末梢型のCCK1Rは標的となる消化腺や胆嚢に発現するだけでなく、脳にも一部発現することがこれまで報告されているが、その詳細は不明である。はじめにCCK1Rの脳内発現分布を蛍光抗体法を用いて検討した。CCK1Rの特異的な免疫反応は弧束核内側部、最後野で強く、弧束核外側部や迷走神経背側運動核ではまばらに認められた。次にCCK1Rが豊富に認められる孤束核内側領域および最後野においてCCK1Rの詳細な局在を蛍光抗体法および包埋前免疫電顕法を用いて検討した結果、CCK1Rは小胞型グルタミン酸トランスポーター2(VGluT2)陽性グルタミン酸作動性神経終末の細胞膜近傍に豊富に局在することが明らかとなった。最後に孤束核内側領域および最後野に中枢性投射線維を送る迷走神経下神経節においてCCK1R mRNAおよびタンパクの発現分布をin situ hybridization法および蛍光抗体法を用いて検討した結果、VGluT2陽性グルタミン酸作動性神経細胞にCCK1R mRNAの発現が認められ、VGluT2陽性細胞の細胞体表面にCCK1Rタンパクの強い局在が認められた。以上の結果から孤束核内側領域および最後野のCCK1Rは迷走神経下神経節由来の神経終末に豊富に局在することが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に記載した「①CCK1Rの脳内分布および細胞局在を明らかにする」は全て順調に遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に記載した「②CCK1Rの関与する神経回路を明らかにする」および「③CCKの由来を明らかにする」を遂行する予定である。
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Research Products
(3 results)