2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of heparanse in skeletal muscles
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21K06795
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 雄朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70506633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有澤 美枝子 九州大学, 農学研究院, 教授 (50302162)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヘパラン硫酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘパラン硫酸は細胞外に豊富に存在する直鎖状糖鎖の一つである。これまでに我々が実施した研究によりヘパラン硫酸は骨格筋に発現していること、骨格筋でヘパラン硫酸を欠損させると、正常な筋分化が阻害され、運動機能が低下することが示されている。そこで骨格筋においてヘパラン硫酸を増加させることは、筋分化を促進し、運動機能を改善する可能性が考えられた。そこで骨格筋に限定してヘパラン硫酸を増加させた場合に、骨格筋機能にどのような変化が生じるかを検討することとした。ヘパラン硫酸を増加させるために、まずヘパラン硫酸分解酵素に着目した。ヘパラン硫酸分解酵素(heparan sulfate endoglycosidase、HPSE)を抑制することで、ヘパラン硫酸量が増加すると考えられるため、ヘパラン硫酸分解酵素のfloxマウス(HPSE floxマウス)を新規に導入した。また骨格筋特異的にHPSE機能を欠損させるため、HPSE floxマウスと骨格筋特異的にCre recombinaseを発現するCKMM-Creマウスとを交配させ、これまでにヘテロ欠損マウスを得ている。今後骨格筋特異的にHPSEをホモ欠損したマウスを得て、表現型解析を実施する。また阻害剤の探索研究に必要なHPSEを得るために、293細胞にHPSEを安定発現させた細胞株を樹立した。HPSEにはタグを付与しており、このタグを用いることで純度の高いHPSEを得る。その後精製したHPSEを用いて酵素活性確認とハイスループットスクリーニング系の構築を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにIMPCからヘパラン硫酸分解酵素であるHPSEのfloxマウスを導入し、当教室にて維持できている。骨格筋特異的にCre recombinaseを発現するCKMM-creマウスと交配させたところ、ヘテロ欠損マウスまでを得ることが出来ており、2022年度にはホモ欠損マウスを得て表現型解析を実施できると考えられる。またヒトHPSE蛋白質を得るための安定発現株を得ており、この細胞からHPSEを精製することでスクリーニング系の構築を実施できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋特異的にHPSEをホモ欠損したマウスを得て、このマウスとコントロールマウスを用いて表現型解析を実施する。具体的にはヘパラン硫酸量の定量、運動機能の評価、筋分化能の評価を実施することを予定している。またHPSE蛋白質の精製については、HPSEにflagタグを付与しており、これを用いて精製を行う。精製したHPSEの酵素活性確認を実施し、その後ハイスループットスクリーニングの為の実験系を構築する。
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Causes of Carryover |
当初解析予定であったマウスが十分な匹数得られなかった。これらのマウスを解析するために必要な試薬を次年度に購入することとしたため、差額が生じた。この実験については2022年度に実施するため、この年度に使用することを予定している。
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Research Products
(4 results)