2021 Fiscal Year Research-status Report
アクチン細胞骨格制御における蛋白質の構造ダイナミクスとdisorder領域の役割
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21K06838
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
坂根 亜由子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60509777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 卓也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40241278)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アクチン細胞骨格制御 / 蛋白質の構造ダイナミクス / Disorder領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命現象を支える細胞の運動、接着、形態形成等の細胞機能では、アクチン細胞骨格がダイナミックに制御されている。これまで、研究代表者は、マルチドメイン蛋白質である Junctional Rab13-binding protein (JRAB)の1分子構造ダイナミクスがアクチン細胞骨格の時空間制御に関わることを明らかにしてきた。しかし、各ドメインの機能活性がJRABの構造変化によってどのように調節され、構造特異的な細胞機能を発現するのかについての複合的な理解には至っていない。最近、蛋白質の構造において安定的な構造を形成しないdisorder 領域の機能が注目を集めている。JRABもN末端とC末端に挟まれた広範囲にdisorder領域を有しており、その構造特異的な機能発現への関与が予想される。そこで、本研究では、JRABの構造ダイナミクスの複合的理解とJRABのdisorder領域の新規役割といった観点から、アクチン細胞骨格の多面的制御機構の解明を目指す。令和3年度は、超解像顕微鏡や電子顕微鏡を用いてclosed formのJRABの機能と束化アクチン線維のインターフェースを高解像度で観察した。また、高速AFMを用いた解析でclosed formのJRABのアクチン線維を束化する過程における動態を捉えつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は、closed formのJRABの機能であるアクチン線維の束化が如何にして引き起こされるのかについて重点的に解析を行った。超解像顕微鏡、電子顕微鏡や高速AFMを用いてJRABとアクチン線維束との結合様式が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、JRABのdisorder領域を切り口としたin vitroの解析を展開し、closed formのJRABが如何にしてアクチン線維の束化を促進するのかを明らかにしていく。これまでに、研究代表者はJRABがそのdisorder領域を介して相分離し、液滴を形成することを明らかにしている。したがって、JRABの液滴とアクチン細胞骨格制御との関連についても調べる。
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Causes of Carryover |
注文した物品が3月に納品となり、支払いが完了していなかったため。4月に支払いが完了する予定。
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Research Products
(1 results)