2021 Fiscal Year Research-status Report
赤血球期マラリア原虫の特異的なイオンチャネル形成機構におけるRON3の機能解明
Project/Area Number |
21K06989
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
伊藤 大輔 鳥取大学, 医学部, 助教 (80609298)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マラリア / 熱帯熱マラリア原虫 / 寄生胞膜チャネル / 赤血球膜チャネル / RON3 / タンパク質複合体 / タンパク質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルテミシニン耐性熱帯熱マラリア原虫の出現と拡散は、現在のマラリア対策において重大な問題である。本研究は、アルテミシニン耐性原虫の拡散を防ぎ、新たな耐性を獲得させない治療薬開発の標的として赤血球期マラリア原虫における寄生胞膜チャネル、および赤血球膜チャネルに着目し、いずれのイオンチャネル活性にも関与する分泌型原虫タンパク質RON3についてその相互作用分子を同定し、RON3とチャネル形成分子との関連性を明らかにすることを目的としている。 まず大腸菌由来のジヒドロ葉酸レダクターゼを基盤とした不安定化ドメイン(DHFR-based Destabilization Domain;DDD)をC末端に付加したRON3タンパク質を発現するRON3-DDD原虫を用いて、チャネル活性の低下を引き起こすトリメトプリム(TMP)非存在下におけるDDDの不安定化がRON3タンパク質に及ぼす影響についてウエスタンブロット法により検証した。RON3タンパク質は分裂体でRON3N、およびRON3Cにプロセシングされるが、TMP非存在下においてもそのプロセシングが認められた。一方、輪状体ではTMP非存在下においてRON3N、およびRON3Cのシグナルの減少が認められた。またTMP存在下における輪状体を用いたRON3Cをベイトとする免疫沈降産物にRON3Nのシグナルが認められた。このことからRON3NとRON3Cの複合体形成がRON3タンパク質の輪状体の寄生胞膜への移行に重要であり、この複合体形成の有無が寄生胞膜チャネル形成に影響することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RON3-DDD原虫においてTMP非存在下では輪状体のRON3Cが消失することから当初予定していたRON3相互作用分子を同定するためのTMP存在下、および非存在下におけるRON3Cをベイトとする免疫沈降産物の比較が困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
RON3相互作用分子を同定するための代替案として近位依存性ビオチン化酵素AirIDをC末端に付加したRON3を発現するRON3-AirID原虫を作出し、RON3相互作用時にビオチン化されたタンパク質を質量分析法により同定する。またRON3Cをベイトとする免疫沈降産物に寄生胞膜チャネル分子EXP2が含まれるか検証する。さらにRON3NとRON3Cの複合体形成がDDDの不安定化により阻害されるかどうか検証し、異なるタグを付加したRON3N、およびRON3C組換えタンパク質をコムギ無細胞タンパク質合成法により合成し、プルダウンアッセイによりRON3複合体における相互作用領域を明らかにする。
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Research Products
(7 results)