2021 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanism of translocation complex in P. falciparum gametocytes
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21K06994
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 真也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40637435)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マラリア原虫 / ガメトサイト / トランスロコン / タンパク質輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マラリア原虫ガメトサイト期トランスロコン関連分子の性分化における役割を明らかにすることである。熱帯熱マラリア原虫はヒト赤血球内でガメトサイトへと分化することにより、蚊に感染する能力を得る。ガメトサイトへの分化過程において、マラリア原虫は赤血球へと数十種類の病原性タンパク質を輸送するが、これらの輸送を担う分子マシーナリーはよく分かっていない。この不明点を明らかにするために、遺伝子改変の手法を使ったノックダウン原虫の作出および表現型解析を行う。本研究によりガメトサイト期トランスロコンの分子基盤が明らかになる。 本研究では、ガメトサイトへの分化能が高いNF54株を使い研究を実施した。本株が効率よくガメトサイトを形成する条件を最適化し、ガメトサイト期のタンパク質サンプル調製条件を構築した。さらに、NF54株を使った遺伝子改変実験の効率が低いという問題点があったが本研究によりその問題点は解決され、現在、標的の遺伝子改変原虫の作出に注力しているところである。ノックダウンに使用するglmSシステムも、複数の遺伝子改変原虫を用いた基礎解析により、順調にワークすることが示唆された。加えて、共同研究者との議論により、新たなトランスロコン関連分子の候補を同定することができたため、その分子も解析対象とした。以上の結果から、熱帯熱マラリア原虫ガメトサイト期のトランスロコン関連分子の理解が進み、さらに将来的には抗ガメトサイト薬の開発にも貢献すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、熱帯熱マラリア原虫ガメトサイトの誘導・タンパク質調製の最適化を行った。また、標的分子の表現型解析に用いるglmSを使用したノックダウン系も導入することができた。新たに、ガメトサイト期トランスロコン関連分子の候補も見出すことができたため、その分子も解析対象とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究代表者が見出した新規のトランスロコン関連分子の遺伝子改変原虫の作出を完了するとともに、その原虫を使った表現型解析に注力する。具体的には、glmSシステムを用いたノックダウン系を洗練させるとともに、ノックアウト系の導入も行う。ノックダウン・ノックアウト時にガメトサイト形成が低下するかどうかを明らかにする。また、遺伝子改変によるガメトサイト大量形成株の入手も進める予定である。
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Research Products
(4 results)