2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K07294
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平山 晃斉 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40437398)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝子発現制御 / 神経機能 / 神経疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は莫大な数の神経細胞が個性をもちながら存在し、複雑な神経回路網を形成して統合的に活動している。刻々と移り変わる体内外の環境変化に対して個々の神経細胞が個性を保ちながら統合的に働き続けるためには、遺伝子発現を精巧に制御することが極めて重要となる。近年、染色体の高次構造形成が遺伝子発現制御に重要な役割を果たすことが明らかとなってきたが、脳神経系での機能や疾患との関係は不明な点が多い。本研究では、染色体レベルでの遺伝子発現制御機構がどのような神経機能と関連し、その破綻がどのような神経疾患の原因となり得るのかを明らかにすることを目的とする。まず、高次染色体構造形成に関連する分子の一つに着目し、脳神経系での機能や疾患との関係を明らかにするために特定の神経細胞で欠損させたマウスを作製した。作製したマウスで、目的の遺伝子の発現が欠失していることを免疫組織化学染色法により確認した。遺伝子欠損マウスは、生後1ヶ月頃から発育不全が見られること、行動異常を示すことが分かった。また、いくつかの行動解析により顕著な行動異常があることを明らかとした。次に、神経細胞の形態を観察するため、目的の神経細胞を特異的に染色して詳細な形態の解析をおこなった。その結果、遺伝子欠損マウスでは神経細胞の樹状突起の発達に異常があることが分かった。また、目的の神経細胞に入力する神経線維についての解析もおこない、異常があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高次染色体構造形成に関連する分子を特定の神経細胞で欠損させたマウスを作製して解析をおこなった。遺伝子が目的の神経細胞で欠失していることは免疫組織化学染色法により確認した。欠損マウスは、生後1ヶ月頃から発育不全が見られること、行動異常を示すことが分かった。また、いくつかの行動解析により顕著な行動異常があることを明らかとした。神経細胞の形態観察では、目的の神経細胞を特異的に染色して詳細な形態解析をおこなった。その結果、遺伝子欠損マウスでは神経細胞の樹状突起の発達に異常があることが分かった。また、目的の神経細胞に入力する神経線維についての解析もおこない、異常があることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、おおよそ研究計画どおり順調に進んでいるため、研究計画に変更はない。今後も研究計画に沿って、行動異常の原因と成り得る神経系の変化を明らかにするため、様々な手法を駆使して研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍での対応のため動物を最低限で維持するようにしたこと、学会等への参加を控えたことが次年度使用額が生じたおおきな理由である。次年度は状況が許せば積極的に研究を展開していくため、動物の購入・飼育費用や試薬の購入費用、学会への参加費が必要となるため、次年度の研究費と合わせて使用する計画である。
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