2022 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive analysis of radiation-response miRNA for cell-to-cell communication
Project/Area Number |
21K07642
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 加奈 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70433282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
椋本 成俊 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70634278)
清水 康之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命技術員 (80824234)
岩下 和真 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (80850065)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 膵臓がん / 放射線応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞・細胞間の放射線応答を予測するエクソソーム由来miRNAの網羅的解析を実施した。エクソソームは近年最も注目されている細胞・細胞間情報伝達を行う細胞外小嚢胞であるが、その主たる機能は、miRNAを介して調整される。放射線照射をうけたがん細胞が、どのようなエクソソーム由来miRNAを放出するか、そのレシピエント細胞がどの細胞で、生体内でどのような反応をするかといった放射線応答を、培養上清からのエクソソームを用いて解析した。また、インビボでの放射線照射を受けたがん細胞から放出されるエクソソームの機能や、エクソソームの細胞や臓器指向性、エクソソームの機能を維持できる時間を解析することで、① 照射を受けたがん細胞が、エクソソームを介してどのような情報伝達をするのか、② 照射がん細胞から放出されるエクソソームの体内動態や臓器指向性は、③ 照射線量と放出されるエクソソームmiRNAの関連は、を検討した。特に本年度は、インビボでの膵がん細胞の肝転移動物モデルの構築に取り組み、放射線照射されたMIAPaCa-2細胞由来のエクソソームを添加した細胞を用いると、肝転移巣形成モデルマウスにおける肝転移巣形成が抑制されることに加え、migration assayの結果から、細胞から放出されたエクソソームが細胞の遊走能を低下させることを明らかにした。これらの結果を踏まえ、エクソソームのマイクロアレイ解析結果から、非照射細胞由来のエクソソームと比較し、照射を受けた細胞由来のエクソソームの方が有意に発現量が変化しているマイクロRNAを数種同定し、遊走能、転移能制御の関連候補分子として抽出した。これらの結果からはエクソソームは細胞の遊走脳や転移能に対しても調整を行っている可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は独自に開発した肝転移形成モデルマウスを用いたエクソソームによる肝転移形成制御実験結果、および、エクソソームの添加によるMIAPaCa-2細胞の遊走能変化の検討実験を通して、細胞の遊走能および転移能制御に関連するマイクロRNAの候補を抽出することができ、当初の実験計画と比較してもおおむね順調である。今年度の実験では、これらの効果の細胞種依存性の有無の検討に加え、抽出したマイクロRNAに着目しターゲット分子を同定することで、エクソソームの細胞遊走能・浸潤能および転移巣形成制御の分子機序の詳細な検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
エクソソームが浸潤能に与える効果についても検討を行うため、MIAPaCa-2細胞に対してinvasion assayを行う。非照射細胞と比較して照射細胞由来のエクソソーム内にて有意に発現量が変化したマイクロRNAのmimicを細胞にtransfectionさせ、細胞の遊走能・浸潤能変化を検討し、細胞の遊走能・浸潤能を最も低下させたマイクロRNAを検索する。検索したマイクロRNAのターゲット分子をTargetScanやmiRtarbaseなどのデータベースを用いて同定し、マイクロRNAによる細胞内でのターゲット分子の発現量変化を生化学的手法で解析する。さらに、エクソソームによる細胞の遊走能・浸潤能制御の効果が、細胞種に依存的か否かをBxPC3やPanc-1などの細胞株を用いて同様の実験を行うことで検討する。分子機構の検討において、必要であれば、同定した関連分子を過剰発現/ノックアウトした膵がん細胞株をヌードマウスの脾臓へ注入して肝転移形成マウスモデルを作成し、解剖後に取り出した脾臓および肝臓組織に対し、HE染色および免疫染色を行い、腫瘍形成率や生存率等の解析を行うこととする。
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Causes of Carryover |
肝転移形成モデルマウスを用いたエクソソームによる肝転移形成制御実験結果およびエクソソームの添加によるMIAPaCa-2細胞の遊走能変化の検討実験を通して、細胞の遊走能および転移能制御に関連するマイクロRNAの候補を抽出することができ、当初の実験計画と比較してもおおむね順調である。今年度の実験では、これらの効果の細胞種依存性の有無の検討に加え、抽出したマイクロRNAに着目しターゲット分子を同定することで、エクソソームの細胞遊走能・浸潤能および転移巣形成制御の分子機序の詳細な検討を行う予定である
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Research Products
(8 results)