2021 Fiscal Year Research-status Report
肺胞マクロファージの炎症調節機能に着目した重症型慢性肺疾患の病態解明
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21K07802
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晋 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90551250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 孝泰 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (50587334)
加藤 寛之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80791293)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性肺疾患 / 炎症 / 肺胞マクロファージ / フローサイトメトリー / 肺胞洗浄液 / LPS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は肺胞マクロファージの採取と分析の基盤となる系を確立することから着手した。 ①肺胞マクロファージの採取と分析; 1.1免疫組織学的検討:P0からP10まで85%酸素に暴露して作成する慢性肺疾患モデル(以下モデル)を作成し、ホルムアルデヒド固定してパラフィン包埋切片を作成し、肺胞マクロファージ特異的表面抗原マーカー(CD68, 163) を用いて肺胞マクロファージの存在を確認した。; 1.2BALFの採集:P4マウスの気管切開とカニュレーションを行い、HBSS0.5mLを用いて肺胞洗浄液を回収した。肺胞洗浄液を遠心して回収し、スライド上に固定してギムザ染色を行い、肺胞マクロファージの回収ができていることを確認した。;1.3 肺胞懸濁液の作成:P1マウスの肺を摘出し、dissociation kitを用いて肺懸濁液を作成した。以上の手技を確立した上で、E17, P1, P4, P7, P10にて肺懸濁液を作成し、フローサイトメトリーで肺内に存在するマクロファージのプロファイリングを実施する予定である。; 1.4フローサイトメトリーによる炎症細胞のプロファイリング
②慢性肺疾患モデル動物の作成; 2.1高濃度酸素暴露によるモデル作成:炎症を惹起させるモデルのベースとして、1.1にも述べたとおりモデル作成を行った。;2.2高濃度酸素+LPS投与によるモデル作成:動物への薬物投与トレーニングも含め、現在モデル作成に取り掛かっている。P10で固定して免疫組織化学法を用いて構造の解析を行い、炎症によって惹起される肺胞形成の悪化を確認していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は肺胞マクロファージの採取、分析にかかわるシステム・手法の確立を念頭に実験を実施してきた。肺胞マクロファージの採取、染色による評価については概ね予定通り実施することができた。フローサイトメトリーの系の確立について、識別を目指している炎症細胞数が多いため、解析系の確立に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の予定としては、①LPSに誘導される重症型モデル動物の確立②フローサイトメトリーによる肺内炎症性細胞のプロファイリングの完了③培養細胞を用いたマクロファージへの薬物就職の効果の検討、を予定している。
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Causes of Carryover |
昨年度は新型コロナウイルス感染症の対応により、予定の研究時間を確保することができなかったため、実験の進捗に多少の遅れを生じている。本年度も研究計画書にそって実験を進めていく予定であるが、エフォートが増えるわけではないため、来年度への繰越も生じる予定である。
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