2023 Fiscal Year Research-status Report
肺胞マクロファージの炎症調節機能に着目した重症型慢性肺疾患の病態解明
Project/Area Number |
21K07802
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晋 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (90551250)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 孝泰 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50587334)
加藤 寛之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80791293)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 新生児慢性肺疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前駆体蛋白変換酵素のfurinが活性化を調節しているインスリン様成長因子受容体の制御を通じて、慢性肺疾患の病態形成に関与していることを、高濃度酸素暴露慢性肺疾患モデルマウスを用いて示した結果を学術誌への掲載を通じて公表することができた(Kato S. et al. Biomolecules 2023, 13, 1656.)。また、2024年度の米国小児科学会においてもこの成果を発表する機会を得ることができ、発表の準備を進めている(PAS meeting 2024 Toronto, Canada)。 重篤な慢性肺疾患に対して使用される、急性期経過後の一酸化窒素吸入療法について、日本新生児成育医学会のワーキンググループメンバーに参画した。直近の20年間に公表された学術論文について、英語・日本語のデータベースを検索してscoping reviewの手法を用いてこれをまとめ、第67回日本新生児成育医学会・学術集会のンポジウム4「急性期以降の一酸化窒素吸入療法(iNO)は、児の予後改善に必要か?」において結果を公表した(加藤晋ら. 急性期以降にiNOを必要とする病態・診断とiNO使用の現在地 - scoping review)。現在学術論文を作成し、投稿の準備を進めている。 一方で主たる業務の所属に変更があり、研究環境に大幅な変化が生じたため、本研究計画を実施するエフォートを十分に確保することができなかった。引き続き共同研究者と緊密な連携を取り研究活動を継続しているが、本研究課題に関する実質的な進捗に滞りが生じた。引き続き慢性肺疾患の病態における肺胞マクロファージが果たす役割について、多面的な評価と解析を通じて、科学的知見を積み上げられるよう検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は主たる業務の所属に変更があり、研究環境に大幅な変化が生じた。引き続き共同研究者と緊密な連携を取り研究活動を継続しているが、本研究課題に関する実質的な進捗に滞りが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在動物実験が停止しており、来年度において計画通りの研究を実施することが困難な状況となっている。しかしながら、ここまで実施してきた実験試料と結果をもとにどのような形で一歩でも前に研究を進めることができるかについて、共同研究者と議論を重ねているところである。
|
Causes of Carryover |
動物実験が予定通り実施されていないために、動物購入費や関連する実験試薬の費用が未執行となっている分が大きい。一方で昨今の為替の影響は大きく、英文校正費や論文掲載費が高騰しており、予定額を超過する結果となった。 次年度では、共同研究者と解析内容の変更も含めた議論を重ねて適切な予算の執行となるよう調整する。また、国際学会への参加と研究成果の報告も予定しているため、そちらでの予算の執行も検討している。
|