2022 Fiscal Year Research-status Report
エクソンスキッピング誘導治療の有効性を予測する残存イントロン解析システムの検証
Project/Area Number |
21K07831
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10596042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 英毅 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30441273)
竹島 泰弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40281141)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | デュシェンヌ型筋ジストロフィー / エクソンスキッピング治療 / スプライシング / イントロン内スプライシング制御配列 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
Outline of Annual Research Achievements |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対し、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-oligo)により遺伝子欠失領域に隣接するエクソンスキッピングを誘導し遺伝情報を修正する根治治療が2020年本邦において承認された。しかし、これまでの治験結果から症例によって効果が異なる可能性が指摘されており、臨床応用における課題となっている。 本研究では、各症例における欠失断端部周辺の残存イントロン領域を迅速に解析するシステムを構築し、残存イントロン領域とエクソンスキッピング誘導治療効果との関連を明らかにすることを目的としている。 2021年度は、エクソン53スキッピングを誘導するAS-oligoであるビルトラルセンによる治療を当院で実施しているDMD患者において欠失エクソン近傍のイントロン配列を明らかにするためのgDNA解析、スキッピング効率を判定するためのmRNA解析、および臨床的な治療効果判定の検討に取り組んだ。2022年度はさらに解析症例を追加し、欠失エクソン近傍のイントロン配列解析、mRNA解析によるスキッピング効率の解析を行った。ビルトラルセンによる治療年数がさらに経過するとともに、症例ごとの臨床的な効果の違いも明らかになりつつある。さらに解析を進め治療有効性に関連する因子を同定し、エクソン53以外のスキッピングを誘導する新たなAS-oligoについても検討する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ジストロフィン遺伝子の欠失エクソン断端近傍のイントロンを解析に時間を要している。また、エクソンスキッピング効率を判定するためmRNA解析を実施しているが、従来の系では解析が難しい場合があり工夫しながら検討を進めているため時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
より効率的な残存イントロンパターンの解析システムやmRNA解析の方法を検討し、解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
COVID19の影響で海外学会や国内学会への現地参加ができなかったため必要経費が少なくなった。2023年度は海外学会も含め成果発表を行なっていく予定である。また、より効率的な解析方法の探索や、培養筋細胞での解析も進めていく予定であり、次年度は生じた差額の費用を活用していく。
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Research Products
(1 results)