2023 Fiscal Year Research-status Report
エクソンスキッピング誘導治療の有効性を予測する残存イントロン解析システムの検証
Project/Area Number |
21K07831
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10596042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 英毅 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30441273)
竹島 泰弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40281141)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | デュシェンヌ型筋ジストロフィー / エクソンスキッピング治療 / スプライシング / イントロン内スプライシング制御配列 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
Outline of Annual Research Achievements |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対し、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-oligo)により遺伝子欠失領域に隣接するエクソンスキッピングを誘導し遺伝情報を修正する根治治療が2020年本邦において承認された。しかし、これまでの治験結果から症例によって効果が異なる可能性が指摘されており、臨床応用における課題となっている。そのため、症例ごとの治療効果の差に影響する要因を明らかにし、事前に治療効果を予測できるシステムの構築が不可欠である。我々は、同じエクソン欠失であってもイントロン内の欠失断端は症例ごとに異なり、残存イントロン配列がAS-oligoによるエクソンスキッピング誘導効率に影響する可能性に着想した。我々の施設においてエクソン53スキッピングを誘導するAS-oligoであるビルトラルセンによる治療を実施しているDMD患者において、ジストロフィン遺伝子の欠失エクソン断端近傍の残存イントロン配列、エクソンスキッピング誘導効率、および臨床的なエクソンスキッピング誘導治療効果を検討した。6症例において約3年間の運動機能、心機能、呼吸機能等について検討し、臨床的な治療効果は症例により差異を認めることが明らかになった。欠失断端近傍イントロン配列、エクソンスキッピング誘導効率との関連性についても検討中である。欠失断端部周辺の残存イントロン領域を迅速に解析するシステムを構築するため、さらに研究を継続予定である。本研究の成果は、本治療法の有効性を事前評価し治療反応性に応じた個別化医療を推進するとともに、本治療の有効性に関与する分子機構を解明しDMD治療のさらなる開発を推進するものとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ジストロフィン遺伝子の欠失エクソン断端近傍のイントロン配列解析に予想よりも時間を要している。エクソンスキッピング誘導効率を判定するためmRNA解析を実施しているが、従来の系では解析が難しいため工夫しながら検討を進めている。これらの理由により時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
より効率的な残存イントロン配列の解析系を構築し、症例ごとのエクソンスキッピング誘導効率および臨床的なエクソンスキッピング誘導治療効果の予測に応用することを目指す。エクソンスキッピング誘導治療効果に関連するイントロン配列について、in vitro スプライシング解析においても検証を追加する。本研究を1年延長しているため、ビルトラルセン治療のリアルワールドデータの症例数や経過年数を拡大して検討し、治療反応性に応じた個別化医療の推進や本治療の有効性に関与する分子機構の解明を推進する。
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Causes of Carryover |
国際学会への現地参加ができなかったため必要経費が少なくなった。期間を1年間延長したため、より効率的な解析方法の探索や培養筋細胞での解析も進めていく予定であり、生じた差額の費用を活用していく。現在、論文作成中のため、投稿費や英文構成などにも研究費を使用予定である。
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Research Products
(2 results)