2021 Fiscal Year Research-status Report
Highly Sensitive Detection for HBV Driver Mutations and Construction of a PRS Model
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21K07997
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
西田 奈央 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (50456109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 順 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80301141)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NGS / HCC / HBV / B型肝炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究協力施設である九州大学、東京大学、久留米大学において収集された95症例の肝がん患者由来の肝がん組織試料(がん部、非がん部)を対象として、ショートリードNGSを用いた全ゲノムシークエンス(WGS)および我々が開発したカスタムキャプチャーパネルによるディープシークエンス(SureSelect解析)を実施した。さらに開発済であるがんゲノム解析パイプラインを使用して、SNV、InDel、SV(構造多型)、Virus integrationの検出を行った。 B型肝炎ウイルス由来配列のリードカウントをがん部と非がん部で比較した結果、がん部の方がリードカウントが高めになる傾向がWGSでもSureSelect解析でも見られた。さらにがん部と非がん部のそれぞれのリードカウントをWGSとSureSelect解析の間で比較をした結果、がん部(R2=0.9746)と非がん部(R2=0.7963)のいずれでもSureSelect解析とWGSは高い相関を示した。また、SureSelect解析はWGSよりもリードカウントが約100倍多くなったことから、SureSelect解析によるがんゲノム解析により肝がんドライバー変異を高感度に検出できる可能性が示された。 コントロール用のゲノムDNAとして購入した乳がん由来ゲノムDNAと血液由来ゲノムDNAを用いたSureSelect解析が完了した。がんゲノム解析パイプラインを使用してSNVなどの変異の検出も完了している。来年度は、がん由来ゲノムDNAと血液由来ゲノムDNAの混合比を変えてSureSelect解析を実施することにより、がん関連変異の高感度検出を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開発期間中に200症例の肝がん患者由来の肝がん組織試料を対象としたがんゲノム解析を実施する計画であるが、初年度に95症例のがんゲノム解析を実施することができたことからおおむね順調に進展していると判断をした。 さらにショートリードNGSを用いた全ゲノムシークエンス(WGS)の結果とカスタムキャプチャーシークエンスによるディープシークエンス(SureSelect解析)の結果を比較をすることで、SureSelect解析により肝がん関連変異を高感度に検出できる可能性が示された。がんゲノム解析パイプラインを使用することで、肝がん関連変異としてSNVだけでなく、InDel、SV(構造多型)、Virus integrationを検出できることから、これまでに報告のない肝がんドライバー変異を見出せる可能性があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
【肝がんドライバー変異の同定】 95症例の肝がん患者由来の肝がん組織試料のSureSelect解析から得られた変異(SNV、InDel、SV、HBV integration)に対して、SIFTやPolyPhenといったソフトを使用してミスセンス変異の注釈付けを最初に行い、各遺伝子が有する変異の質と量を考慮したburden testによってドライバー遺伝子を同定する。
【高感度検出系の精度評価】 コントロール用のゲノムDNAとして購入してる乳がん由来ゲノムDNAと血液由来ゲノムDNAの混合比を変えてSureSelect解析を実施することにより、がん関連変異の高感度検出における精度を評価する。
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Causes of Carryover |
研究分担施設である九州大学のおいて収集した肝がん患者の肝がん組織試料を対象として、がんゲノム解析を実施し、がんゲノム解析パイプラインを用いて肝がん関連変異を検出した。研究分担施設である東京大学は、検出された肝がん関連変異の中から肝がんドライバー変異の同定を目指す研究計画であったが、初年度はデータ取得とデータ解析を実施したために東京大学での実施計画を遂行することができなかった。 95症例の肝がん患者を対象とした解析から得られた肝がん関連変異の中から、SIFTやPolyPhenといったソフトを使用してミスセンス変異の注釈付けを最初に行い、各遺伝子が有する変異の質と量を考慮したburden testによってドライバー遺伝子を同定する。翌年度分の助成金と合わせることで、解析に必要なパソコンやソフトウェアなどを準備する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Importance of HBsAg recognition by HLA molecules as revealed by responsiveness to different hepatitis B vaccines2021
Author(s)
Nishida N, Sugiyama M, Ohashi J, Kawai Y, Khor SS, Nishina S, Yamasaki K, Yazaki H, Okudera K, Tamori A, Eguchi Y, Sakai A, Kakisaka K, Sawai H, Tsuchiura T, Ishikawa M, Hino K, Sumazaki R, Takikawa Y, Kanda T, Yokosuka O, Yatsuhashi H, Tokunaga K, Mizokami M.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 11
Pages: 3730, 3741
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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